【薬膳】目の疲れは肝から?その日のうちに薬膳で改善しよう!

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最近はテレワークへの移行から、一日中パソコンを見ているという人も多いのではないでしょうか?自宅での作業は、自分のペースで仕事をできる反面、集中しすぎて休憩するタイミングを逃し、目に疲れが溜まってしまうということも少なくありません。

woman covering her two eyes
Photo by Daria Shevtsova on Pexels.com

また、近年若者のテレビ離れが囁かれていても、パソコンやスマートフォンなどの長時間の使用で、目の疲れが出やすい環境は年々増えています。

目が疲れていると感じていたら、日々の食事に薬膳を取り入れて改善していきましょう。できるだけ、その日の疲れはその日のうちにケアできるといいですね。

目の疲れってどういう状態?

目の疲れとは、おもにドライアイや眼精疲労などの状態のことを指します。

ドライアイは、その名の通り目が乾燥している状態のことです。

パソコンやスマートフォンなどの画面を長時間見ることで、瞬きの回数が減り、涙が安定して目の表面に定着せず、結果的に目が乾燥してしまいます。

眼精疲労も目の使い過ぎが原因で起こり、頭痛やめまい、吐き気などの症状を起こします。

このように、目が疲れていると、頭痛やめまい、吐き気などにも繋がることがあるため、単純に目が疲れているだけと軽視しない方が良いでしょう。薬膳を取り入れて、目の疲れを癒していくことが大切です。

中医学から見る目の疲れの原因

一般的には、目の疲れは目の使い過ぎなど環境が原因となることが多いとされていますが、中医学的には「肝」と深い関りがあるのです。

肝(かん)は目に開竅(かいきょう)する

中医学では、「肝は目に開竅(かいきょう)する」と言われています。開竅というのは、五臓の状態がある特定の器官に反映されやすいということです。

《五臓と開竅する器官》

五臓開竅する器官
耳、二陰(尿道や生殖器部分の前陰と肛門部分の後陰の二つを指す)

上記の表のように、肝は目に反映されやすい臓器です。

特に「血(けつ)」は肝に貯蔵されているため、肝が弱まり、血が不足すると目の疲れに繋がりやすくなるのです。そのため、「肝血」を補うことがとても重要となります。

目の疲れにおすすめの薬膳

目の疲れには、目の疲れを癒す効果のある薬膳や、肝血を補う薬膳を積極的に摂っていくのがおすすめ。二つの方面からしっかりアプローチしていきましょう。

おすすめの食材

目の疲れを癒す働きのある食材としては、クコの実や菊花がおすすめです。さらに、血を補う働きのあるひじきや人参を、薬膳として取り入れると良いでしょう。

薬膳レシピ

クコの実や菊花、ひじきや人参を使ったおすすめの薬膳レシピとしては、「菊花茶」や「クコの実入り薬膳粥」、いろんな食材を一度に取り入れることができる「ひじきと人参の炊き込みご飯」を紹介していきたいと思います。

菊花茶

菊花茶は乾燥させた菊の花をお茶にしたもので、一般的にはあまり知られているものではありませんが、薬膳ではとてもよく取り入れられているお茶です。おもに、中国茶を売っている専門店などで購入することができ、日常のお茶として気軽に飲むことができます。

専門店が近くにないという人は、食用の菊を自分で乾燥させて作ることも可能です。中国の菊花ほど香りは強くありませんが、食用菊はスーパーなどでも購入することができます。乾燥させることで、菊花の成分が抽出しやすくなりますよ。

ここでは、日本のスーパーで手に入る食用菊を使って作る菊花茶を紹介していきましょう。一緒にクコの実を入れることで、目の疲れを癒すのにさらに効果的。あまり香りの強くない日本の菊花も、緑茶や紅茶を入れることでおいしくなりますよ。

【材料】

食用菊 5個

クコの実 7~8個

緑茶または紅茶 大さじ1/2

熱湯 300ml

【作り方】

~乾燥菊花の作り方~

  • まずは乾燥菊花を作ります。乾燥菊花は、菊花茶数回分をまとめて作っておくと良いでしょう。食用菊は流水で綺麗に洗ってください。
  • ①の食用菊を乾燥させます。乾燥させる方法は複数あり、天日干し、電子レンジ、オーブンなどがあります。それぞれ紹介しますので、好きな方法で作ってみましょう。

《天日干しの場合》

洗った食用菊を、キッチンペーパーを敷いたバットに重ならないように並べ、2~3日程度風通しの良い場所に置いておきます。天気が良い日に、日当たりの良い場所でおこないましょう。

《電子レンジの場合》

食用菊をキッチンペーパーを敷いた耐熱容器に並べ、電子レンジ600Wで1分半加熱します。裏返して、さらに600Wで1分加熱すると乾燥菊花の完成です。

《オーブンの場合》

食用菊を耐熱容器に並べ、120℃に予熱したオーブンで表裏20分、計40分ほど加熱します。途中で焦げないように注意し、焦げ付きそうであれば時間を調整します。

  • ②で作った乾燥食用菊は、粗熱をとって密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。完全な乾燥状態ではないので、できるだけ早く使い切るようにしてください。

~菊花茶の作り方~

  • ここからは、菊花茶の作り方を紹介します。

急須に乾燥させた菊花とクコの実を入れ、沸騰したお湯を注ぎます。ガラス製の透明なティーポットなどで入れると、湯を入れて開いた菊花が綺麗に見えておすすめですよ。

  • 蓋をして5分蒸らします。
  • 緑茶または紅茶の茶葉を入れ、さらに2分蒸らします。
  • 飲みにくい場合は、お好みで蜂蜜を入れて飲んでも良いでしょう。

クコの実入り薬膳粥 4人分

次は、クコの実の入った薬膳粥を紹介します。

いつもの白米をクコの実入りの薬膳粥に変えることで、目の疲れに効果的な薬膳の完成です。味付けは塩だけなので、どんなおかずにも合わせやすくおすすめの薬膳ですよ。

【材料】

白米 1カップ

雑穀米 大さじ2

クコの実 適量

水 1600ml(白米+雑穀米の8倍の量)

塩 少々

【作り方】

  • お米は研いで30分ほど浸水させ、ザルにあげておきましょう。
  • 鍋に①のお米を入れ、水を加えて火にかけます。
  • 沸騰したら弱火にし、20分ほど火にかけます。
  • クコの実を加え、さらに1~2分経ったら、さいごに塩で味を整えて完成です。

ひじきと人参の炊き込みご飯 3~4人分

ひじきと人参は煮物などで良く食べられますが、炊き込みご飯にすることでより食べやすくなり、たっぷり摂取することができます。

材料に鶏もも肉を入れることで、出汁を使わなくてもしっかり旨味のある炊き込みご飯に仕上がりますよ。

【材料】

白米 2合

芽ひじき 5g(乾燥状態)

人参 1/3本

鶏もも肉 100g

万能ねぎ 適宜

酒 大さじ1

醤油 大さじ1

塩 小さじ1/4

【作り方】

  • 芽ひじきは水で戻しておきましょう。
  • 人参は千切りにし、鶏もも肉はひと口サイズに切ります。
  • 炊飯器に、研いだお米、酒、醤油、塩を入れ、水を2合の目盛りまで加えてよく混ぜておきます。
  • 人参、鶏もも肉、水気を切った芽ひじきを表面が平らになるようにのせて、通常モードで炊飯してください。
  • 炊けたら器に盛り、小口切りにした万能ねぎを散らして完成です。

まとめ

今回は目の疲れにおすすめの薬膳を紹介しました。

目の疲れには、目の疲れそのものを癒すことに加え、肝血を補うことが大切です。五臓と開竅する器官を知っていることで、改善方法を見つけることができます。

普段気になる肩こりや頭痛などの症状も、じつは目の疲れからきていることも考えられます。肩こりや頭痛などの症状がなかなか改善しないと思ったら、目に負担がかかっていないか、日々の生活を見つめてみましょう。

目の疲れが思い当たる人は、ぜひ今回紹介した薬膳を取り入れてみて下さいね。

薬膳を体系的に学び、職業に生かすのには薬膳インストラクターもおすすめです。