
眠たくて仕方がないということはありませんか?
そんな症状を感じる方は、夏疲れを気にして下さい。
秋口に感じやすい夏疲れの症状は「脾胃」の養生が大事です。
自宅でできる薬膳料理は「凛林」さんに教えていただきました。
東洋医学の見識を学び、夏疲れを乗り越えましょう。
夏疲れはどうして起こるの?
夏疲れとは
眠たくて仕方がないのは、夏場の暑さで体力を消耗したり、寝不足を積み重ねたりしたことによる、エネルギー不足の状態です。
東洋医学ではこのような疲れやすい状態を、気が不足した「気虚」と考えます。
だるい、疲れやすい、頻繁に風邪をひく、風邪が治りにくいといった症状は、気虚の代表的な症状です。
脾胃(胃腸)の不調によるエネルギー不足
こういった気虚の状態は脾胃(胃腸)の不調と大きく関わっています。
東洋医学では、脾胃を含めた消化器系は五臓の基本であり、脾は胃とともに働いて、食べ物を消化吸収し、気の材料となる水穀の精微を作るという重要な働きがあります。
消化吸収がうまくいかないと、気が十分に作れず、疲れを感じ、気力もわかず、最終的には全身的なエネルギー不足を引き起こし、気虚となります。
虚の状態では、臓腑そのものも虚となり、脾胃の働きも弱くなります。
このように秋に起こりがちな夏疲れは、脾胃の不調が一因となります。
脾胃の養生
夏の疲れを秋の早い段階でリセットするには、質の良い睡眠とともに、脾胃を休める食養生が大事です。
食養生
脾胃の不調には、食養生が大切です。
例えば肉類や鯛、鱈等の魚類、海老、山芋は、滋養強壮効果が強く、補気に最適です。
穀類や芋、大豆や茸類も、消化機能を高め、新陳代謝を高める働きがあります。
ただし、胃腸の働きが弱っている場合は、調理方法を工夫したり、山芋、棗、鯛等、補脾の食材の中でも、比較的消化の良いものを選んだりするのが大事です。
脾胃を傷つける「脂っこい、甘い、生、冷たい、辛い」食材は控えた方がいいです。
体を温めて、胃腸への負担が少ない鍋料理がおすすめです。
脾胃を休める
夏に冷たいものや水分を摂り過ぎて、秋は脾胃も疲れています。
食事は腹八分目にし、脾胃を休めることが肝心です。
野菜や肉、魚等、さまざまな栄養素をバランスよく食べ、食事は睡眠の3時間前には終わらせるのがいいです。
そして温かい食事を摂るなどして、脾胃の調子を整えていくことが大切です。
お酒を飲むときは酸味の食材を
お酒は飲みすぎると肝を傷つけ、その不調が脾に影響します。
飲酒時には肝を守る酸味の料理を一緒に食べるといいです。
例えばトマトや酢の物はおすすめです。
自宅でできる薬膳料理
「凛林」さんおすすめの薬膳料理をご紹介致します。
「凛林」さんは、知る人ぞ知る鎌倉市二階堂にある名店、中国料理、薬膳料理、精進料理のお店です。
今日はそんな秘伝のレシピについて一部、ご紹介いたします。
今回ご紹介した料理は「凛林」さんで食べることができます。
ぜひこの機会に足を運んでみてください。
店主の方は非常に気さくな方なので、ご相談しながら、食べたい料理を決めるのもいいかもしれません。
薩摩芋皮ごと素揚げと梨のピリ辛和え
皮に沢山ある食物繊維を多く摂取できるので、腸内環境を改善して老廃物を外に出す手助けをします。
また豆板醤が、免疫力を高め、筋肉細胞を始めとした体内細胞を活発にし、汗を出してくれるので、老廃物を外に出してくれます。
梨は、汗をかいた時の水分補給や便秘に良い食材とされてます。
腸内環境がよくなり便秘が改善されると老廃物が便や尿から外に出て、体内のデトックスになります。
体内のデトックスができれば血液リンパの循環がよくなり肌に栄養がいきわたり美容にもいいです。
そうしたデトックス作用が体内のリラックスにも繋がり、気持ちもリラックスできます。
こちらはメニューにありませんが、事前に確認が必要ですが、材料がある時であれば作れるそうです。
作り方
①さつま芋は皮ごとスティックに切り素揚げします。
②生の梨とピリ辛ダレで和えます。
③器に盛り彩りにみじん切りしたパセリの粉末をふります。
食材
「さつま芋」
さつま芋は気を補って全身の疲れを取る作用があります。
さつま芋は、胃腸の働きを高め、生きるためのエネルギー源である気を補います。
全身に疲れを感じている時、食欲が出ない時、元気が出ない時に食べるといいです。
気虚体質と血虚体質の人、高齢者にも向いています。
ただ腸にガスが溜まりやすいので、食べ過ぎには注意は必要です。
また腸を潤して便意を促す作用もあります。
秋の乾燥が引き起こす潤いが不足した便秘や腸の働きが弱っていて起こる気虚体質の便秘の解消に役立ちます。
他にも母乳の出が悪いといった症状にも働きかけます。
さつま芋の保存方法は新聞紙に包んで、冷暗所で保存するのがいいです。
さつま芋は両端の切り口に蜜が浮き出ているものが甘く、ふっくらとしていて、表面に傷などがなく滑らかなものを選ぶといいです。
「梨」
梨は潤いを与えて熱を冷ます効果があります。
そのため、のどの渇きや扁桃腺にいいです。
梨は、古くから中国で「百果の宗」と呼ばれ、珍重されきました。
潤いを与えて、体の熱を冷ます作用があるので、空気が乾燥している中国では大切な果物として考えられてきたのです。
梨は、肌の乾燥、髪のパサつき、のどの痛み、から咳、発熱をともなう風邪、痰が出る時におすすめです。
ジュースやデザートスープにするなど食べやすく調理するといいです。
例えば、梨と白きくらげの糖水は中国では定番デザートとしてよく知られています。
梨と白きくらげにお好みで氷砂糖などを入れ煮込んだデザートスープです。
のどの痛み、から咳、かすれ声の予防に効果的です。
秋のお野菜色々あんかけ 烏龍茶麺

今年は猛暑でした。
内外の温度差などにより体の倦怠感、食欲もなくどうしてもバランスの悪い食生活になってしまいます。
暑い夏が終わり最初の食事が大事です。
食欲が湧く香りと、いろいろな色のお野菜、具材を取り入れて少し酸味を利かす味付けにした料理がおすすめです。
季節で材料が変わりますが、こちらの『秋のお野菜色々あんかけ 烏龍茶麺』はお店で提供されています。
作り方
①しいたけ、インゲン、長ネギ、ナス、カボチャ、赤パプリカ、冬瓜、蓮根などの野菜を食べやすい大きさに切り、油を敷き醤油、酒で炒めます。
それによって、焦げた醤油の香りなど 調味料だけではいただけない味付けが入ります。
②鶏がらスープ加えて調味し、水溶き片栗粉でとめます。
③別の鍋に烏龍茶麺を茹で、ラーメンを作り先程のあんかけをかけて提供。お好みでお酢も加えると風味がいいです。
食材
しいたけ(疲労や体力不足)/長ネギ(風邪、冷え)/ナス(胃腸の不調、むくみ)/
カボチャ(疲労や体力不足)/冬瓜(夏バテ、むくみ)/蓮根(咳や痰、下痢)/インゲン(疲れ、食欲不振)/赤パプリカ(食欲不振、消化不良)
お店の紹介
以上の薬膳料理は「凛林」さんがご紹介して下さいました。

「凛林」
〒248-0002
鎌倉市二階堂725-4(瑞泉寺山門上ル)地図はこちら
TEL:0467-23-8535
FAX: 0467-23-8534
不定休(お電話にてお問合せください)
【営業時間】予約制(ご来店前にお電話にてご確認ください)
ランチタイム:午前11時~午後3時
ディナータイム:午後5時~午後9時(ラストオーダー午後7時30分)
まとめ
秋口に眠たくて仕方がないという症状は、夏場の暑さで体力を消耗したり、寝不足を積み重ねたりしたことで、エネルギー不足の状態、「気虚」が原因です。
こういった夏の疲れを秋の早い段階でリセットするには、質の良い睡眠とともに、脾胃(胃腸)を休める食養生が大事です。
滋養強壮効果が強く、補気に最適な肉類や鯛等を摂り、鍋料理等、体を温めて、胃腸への負担が少ない調理方法がおすすめです。
こうした東洋医学の知識を生かした食事を心掛け、脾胃の働きを整え、夏疲れを乗り越えましょう。