大人ニキビは不調の合図です。
ただのニキビだと思って対処しても、なかなか治りません。
大人ニキビの原因はさまざまです。
不調別に対策をし、未病を未然に防ぎましょう。
大人ニキビとは
ニキビとは
ニキビとは皮膚にできる炎症性疾患のことで、顔やあごの周り、背中や胸などにできるものです。
一般的に思春期の男女に多く見られますが、20歳を過ぎ、さらに更年期でも吹き出物ができることがあります。
大人ニキビと思春期ニキビの違い
思春期の場合、ホルモンの変化によって皮脂が過剰に分泌されることによりますが、それ以外の原因でできるニキビを大人ニキビと言います。
大人ニキビの原因は「肺」
皮膚に関するトラブルの原因は、基本的には「肺」と考えますが、「肝」や「消化器官(脾、胃)」が原因の場合もあります。
ストレスや生活リズムの乱れから内臓が弱ったり、うまく機能しないことでトラブルが起こります。
ホルモンバランスの乱れも大人ニキビができる原因になります。
長時間の化粧、皮膚の新陳代謝の衰え、飲食の不摂生のほか、胃腸障害や月経障害は症状を悪化させます。
大人ニキビの場所で体の不調がわかる
大人ニキビは発症する顔の部位によって、体の弱っている場所が分かります。
①生え際、こめかみ、耳の前後のにきび
→肝
②おでこ、Tゾーンのニキビ
→肺・肝胆
③頬、フェイスラインのニキビ
→胃・腸
④口、あご、首のニキビ
→胃、任脈(婦人科系)
「大人ニキビ」代表的なタイプ
①瘀血タイプ
月経前、あるいは更年期にニキビや肌荒れが現れるタイプです。
瘀血の場合、のぼせや便秘、肌荒れが見られます。
②血熱タイプ
体質的にのぼせやすい人は体の熱を体外に発散できないため、顔面、上半身、頭部などに赤みが出やすく、炎症が強い吹き出物、いわゆる赤ニキビができます。
③血虚タイプ
体に血が不足している血虚の場合、血のもつ滋潤作用が不足するため、乾燥しやすく、吹き出物が頻繁に出やすくなります。
冷え性で顔色が良くない人も多いです。
また血虚が悪化すると瘀血症状を伴うこともあります。
③気滞タイプ
ストレスで気が巡らなくなることで、熱がこもってしまい、にきびや吹き出物ができやすくなります。
イライラ、怒り、ストレスを感じる、頭痛・肩こり、ゲップ・ガス・しゃっくりが多い、喉につかえた感じ等の症状があります。
④水帯タイプ
余分な水分があることで熱を上手く発散させることができず、熱がこもってしまい、にきびや吹き出物ができやすくなります。
むくみ、体が重だるい・倦怠感、軟便・下痢しやすい、めまい・吐き気、アレルギーがある等の症状があります。
⑤熱タイプ
熱をうまく体の外に出すことができないことで、にきびや吹き出物として出てしまいます。
口喝、顔色が赤い、目が赤い、便秘、皮膚の炎症等の症状があります。
⑥肝タイプ
「肝」の働きがうまくいかないことで気の巡りが悪くなり、ニキビや吹き出物ができます。
イライラ、足がつる、ストレスで悪化、目の症状、頭痛・肩こりなど張るような痛み等の症状があります。
⑦脾タイプ
消化器官が弱って水分代謝がうまくいかず「湿」が溜まると、ニキビや吹き出物ができやすくなります。
胃に熱がこもると、口の周りにニキビや吹き出物が出やすいです。
食欲不振、疲れやすい、お腹が張る、食後に眠くなる、軟便、痣ができやすい等の症状があります。
⑧肺タイプ
肌がもともと弱く、乾燥しやすいです。
「肺」に熱がこもってしまい、ニキビや吹き出物ができやすくなります。
咳・痰がでやすい、肌のトラブル、風邪をひきやすい、鼻の症状、呼吸しづらい等の症状がみられます。
対処法
大人ニキビには生活習慣をととのえる
睡眠をしっかりとること、またしっかり排便することで、体の老廃物をしっかり出すようにして下さい。
便秘気味の人は便秘を改善することで大人ニキビが良くなります。
辛い食べ物や脂っぽい食べ物、暴飲暴食は体、とくに胃に熱をこもらせてしまい、症状がひどくなるので控えてください。
緑茶は体の余分な熱を取り除くので、いつも飲んでいる飲み物をニキビや吹き出物ができた時に緑茶に変えてみるといいです。
はと麦は美肌によく熱や余分な水分を取り除いてくれます。
ひき割りのはと麦をお米と一緒に入れて炊くのもおすすめです。
部位別対策
①生え際、こめかみ、耳の前後のにきび
柑橘系や香りのよい食材を積極的に食べてください。
ストレスをこまめに発散し、睡眠時間も大切にしましょう。
②おでこ、Tゾーンのニキビ
白きくらげ、ユリ根、玉ねぎ、りんご等の潤い作用のある「白い食材」を摂り、肺を補いましょう。
脂っこいもの、甘いもの、濃い味は避けてください。
③頬、フェイスラインのニキビ
食物繊維の多い野菜を食べ、便通を整え、毎日お通じをするよう心掛けましょう。
インスタント食品やチョコレートは控えてください。
④口、あご、首のニキビ
暴飲暴食、辛い物の摂り過ぎは止めましょう。
あっさりした温かい和食がおすすめです。
食養生
①瘀血タイプ
→体を温め、新陳代謝を活発にしてくれる食材
玉ねぎや韮、ニンニク、山椒など
また辛味食材の生姜やネギ、紫蘇もいいです。
②血熱タイプ
→寒涼性の食材
きゅうりやトマト等、
→熱を冷ます食材
レタスやレンコン、蛤等
③血虚タイプ
→造血作用がある食材
竜眼肉
→肝機能を整える食材
レバー
その他には黒豆、黒ゴマ、枸杞子等もおすすめです。
③気滞タイプ
→気の巡りをよくする食材
玉ねぎ、ピーマン、グレープフルーツ、ゆず、鮭等
④水帯タイプ
→体の余分な水分を取り除く食材
とうもろこし、ウーロン茶、プーアール茶、きゅうり等
⑤熱タイプ
→体の余分な熱を取り除く食材
はと麦、小豆、豆腐、緑豆、アスパラガス等
⑥肝タイプ
→肝の働きを助ける食材
いちご、うなぎ、ししゃも、レバー等
⑦脾タイプ
→脾の働きを助ける食材
うるち米、じゃがいも、黒豆、大豆等
⑧肺タイプ
→肺の働きを助ける食材
きび、山芋、アーモンド、銀杏、松の実等
自宅でできる薬膳
お義母さんに教えていただいた薬膳をご紹介致します。
私のお義母さんは中国出身で、薬膳の知識を生かした中国料理店も営んでいます。
そんなお義母さんが作ってくれる料理は、温かい家庭の味と、先祖代々受け継いだ知識が詰まっています。
今日はそんなここならではの秘伝のレシピについて、ご紹介いたします。
いろいろ野菜の炒め物
①麺を茹でます。
②ごま油を引き、キャベツ、ニラ、人参、しめじ、玉ねぎ等の野菜を炒めます。
③茹で上がった麺の水をよく切り、野菜と一緒に炒めます。
④味はお好みで、塩、しょうゆ、出汁等で整えてください。
それぞれの体質別、または症状別にあった食材を組み合わせて作って下さいね。
食材
玉ねぎ
滞った気と血の巡りをよくする作用があるので、頭痛、お腹の張り、肩こり、肌のくすみを改善に導きます。
気滞体質に向いています。
また利尿作用もあるので、むくみやすい人にもおすすめです。
気、血、津液の巡りが悪い人全般に適している食材です。
しめじ
栄養分である血を補う作用と便意を促す作用があります。
めまい、便秘、肌の乾燥におすすめです。
まとめ
大人ニキビは思春期のニキビとは違います。
思春期の場合、ホルモンの変化によって皮脂が過剰に分泌されることによりますが、大人ニキビの原因はさまざまです。
「肺」や「肝」、「消化器官(脾、胃)」が原因の場合、ストレスや生活リズムの乱れ、ホルモンバランスの乱れ等、その原因は多岐にわたります。
さらに大人ニキビは発症する顔の部位によって、体の弱っている場所が分かりました。
それぞれ対処の仕方が異なるので、自分の場合を考え、しっかり改善していくことが大事です。