朝がつらいのは気虚が原因?薬膳でエネルギー不足を補おう

sleepy woman lying on bed with alarm on smartphone 普段使いの薬膳レシピ
Photo by Gabby K on Pexels.com

午前中どうしてもやる気がでないことや、めまいや疲労など朝から不調を感じることが多いなど、朝のつらさに悩まされているという人は少なくありません。

特に冬になると寒くて起きるのが億劫になるだけでなく、身体が冷えてなかなか活動できる状態になりにくいものです。

朝がつらいというだけでは、病院に行ってもなかなか症状が改善しにくく原因がわかりにくいことも。

そんな朝のつらさは、「気虚」が原因かもしれません。薬膳を使って気虚を改善し、朝のつらさから解放されましょう。

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朝がつらいと生活に支障も?

朝なかなか起き上がることができない、起きてもすぐに活動できない、食欲がなく朝食が進まないなど、朝がつらいと感じる人は多いのではないでしょうか?

仕事が休みの日であっても、朝起きられずに遅くなると、なんだか一日の半分を無駄にしたような気分になってしまいますよね。朝がつらいと、その日一日の生活にも影響します。

実は、朝の3時間は脳が一番働くゴールデンタイムとも言われています。この時間を有意義に使えないというのは、非常にもったいないことです。

朝起きて日光を浴びるとセロトニンというホルモンが分泌され、脳が覚醒されます。このセロトニンは分泌されて3時間がピークで、大脳の偏桃体が活性化され、仕事や勉強がはかどりやすくなるのです。

さらに、一日のリズムで大切なホルモンにメラトニンがあります。

メラトニンは脳の松果体という場所から分泌されるホルモンで、起床から14~16時間後に分泌が始まります。

メラトニンの分泌に伴って自然な眠気と覚醒が行われるため、とても大切なホルモンなのです。朝きちんと起きることで正しい時間にメラトニンが分泌され、体内メカニズムが正常に整い、これがさらに朝のつらさを改善することにも繋がります。

朝がつらいというのは、自分では解決できないと思いほったらかしになりがちですが、一日のリズムを整えるためにも改善することが大事なのです。

気虚タイプの人は朝が苦手になりやすい?

それでは、朝がつらいと感じるのは一体何が原因なのでしょうか?

実は、朝がつらかったり苦手だと感じている人には、「気虚」タイプの人が多いと考えられています。

気虚とは

東洋医学では、「気」「血」「水」という3つのエネルギーで身体が構成されていると考えます。この3つのエネルギーバランスを保つことで、身体の調子が整うのです。

気虚とは、この3つのエネルギーのうちの「気」のエネルギーが不足している状態のことです。

気虚の人は胃や肺などが弱っていることが多いため、食欲不振やだるさ、疲れを感じやすくなります。また、風邪をひきやすくなるのも気虚の特徴でもあります。

朝がつらくなかなか起きることができなかったり、活動するまでに時間がかかるというのも気虚が原因となっていることが多いのです

気虚は「肺」「心」「腎」「脾胃」の臓腑と関わりが強いのが特徴で、どの部分に供給されるエネルギーが不足しているのかによってさらに分類することができます。

【気虚の種類】

気虚の種類主な症状
肺気虚息切れ、咳、声に力が入らない、汗をかきやすい
心気虚動悸や息切れ、神経衰弱
腎気虚めまい、頭のふらつき、夜間の多尿、腰や膝に力がない
脾胃気虚疲れやだるさ、食欲不振、無気力

気のエネルギーというのは、このようにさまざまな臓腑と関係が深いことがわかります。朝がつらいと感じる人の多い「気虚」タイプの場合、気のエネルギー補充に加え、臓腑の働きを高めることが必要なのです。

気虚タイプの人の特徴

自分が気虚タイプにあてはまるのかがわかれば、それに合わせた薬膳で改善することができます。

ここでは気虚タイプの人に多く見られる特徴を紹介しますので、セルフチェックをしてみましょう。あてはまる項目が多い人は、気虚タイプの可能性が高いですよ。

気虚は朝がつらくなる原因なるだけでなく、うつ症状の原因などにもなりやすいので、できるだけ早く自分の身体のことを知って対処することが大切です。

【気虚タイプの人に見られる10のチェックポイント】

  • 食後に眠くなる
  • 疲れやすい
  • 集中力が続かない
  • 筋肉量が少ない
  • 体温が低い
  • 冷え性
  • 普段から風邪をひきやすい
  • 季節の変わり目に体調を崩しやすい
  • 月経は少量の出血が長く続く
  • 胃腸が弱い

いかがでしたか?思い当たる項目が多いなと感じる人は「気虚」タイプである可能性があります。意識して薬膳で改善していきましょう。

朝がつらい方におすすめの薬膳

それでは朝がつらい方におすすめの薬膳を紹介します。

朝のつらさは特に気虚が原因であることが多いので、気虚を改善するということを頭に入れて薬膳を取り入れていきます。

冷たいものや生ものはできるだけ避けるようにした方が良いでしょう。

おすすめの食材

気虚を改善するためにおすすめの薬膳は卵、鰻、にんにく、山芋です。

気のエネルギーを補って、「肺」「心」「腎」「脾胃」などの臓腑の働きを高める薬膳を積極的に取り入れましょう。

卵や鰻、山芋はエネルギーを補う効果が期待できます。さらに、鰻は滋養強壮、ビタミンB1も豊富なので、疲労回復や食欲不振改善にもおすすめです。

山芋やにんにくは胃腸の調子を整えるので、積極的に取り入れていきたい薬膳ですね。

薬膳レシピ

それでは、朝のつらさにおすすめの薬膳レシピを紹介していきたいと思います。

おすすめの薬膳レシピは、市販の鰻の蒲焼を使って作る「鰻の卵とじ」、そのまま食べてもおいしく料理にも使える「にんにく醤油」、寒い日にも身体が温まっておすすめの「山芋のポタージュ」を紹介します。

にんにく醤油は開封しなければ常温で1年ほど日持ちするので、多めに作って保存しておくのがおすすめですよ。開封後は冷蔵庫で保存した方が日持ちしやすくなります。

鰻の卵とじ 2人分

【材料】

鰻の蒲焼 1/2パック

卵 2個

玉ねぎ 1/4個

めんつゆ(2倍濃縮タイプ) 30ml

水 70ml

三つ葉 適宜

【作り方】

  • 玉ねぎは薄くスライスし、鰻の蒲焼と三つ葉は2cm幅にカットします。
  • フライパンにめんつゆと水を入れ、中火にかけます。沸騰し始めたら①の玉ねぎを入れ、軽く混ぜたら全体に玉ねぎを広げ、その上に鰻の蒲焼を並べてください。
  • 溶いた卵を全体に回しかけ、蓋をして火を止めます。
  • 30秒ほど経ったら蓋を開けて三つ葉を散らし、もう一度蓋をしてさらに30秒ほど放置し、少し蒸らしたら出来上がりです。

にんにく醤油

【材料】

にんにく 2株

醤油 適量

鷹の爪 1本

【作り方】

  • にんにく醤油を保存する瓶を煮沸消毒します。煮沸消毒した後は、完全に水気がなくなるまで乾燥させてください。煮沸消毒できない容器を使用する場合は、アルコール消毒をしましょう。
  • にんにくは小房に分けて根元の硬い部分を切り、皮を剥きます。
  • 瓶ににんにくを入れ、にんにくが完全に浸る量の醤油を注ぎます。
  • 鷹の爪を入れ、3日ほど放置したら完成です。

山芋のポタージュ 2~3人分

【材料】

山芋 15cm

玉ねぎ 1/4個

豆乳 200ml

出汁 200ml

塩 少々

こしょう 少々

【作り方】

  • 山芋は良く洗って皮ごとすりおろし、玉ねぎはみじん切りにしましょう。
  • 鍋に出汁とみじん切りにした玉ねぎを入れ、火にかけます。沸騰したら弱火にして蓋をし、玉ねぎが柔らかくなるまで10~15分ほど煮込みましょう。
  • 柔らかくなるまで煮込んだら豆乳とすりおろした山芋を加え、沸騰直前まで煮こみます。沸騰直前まで加熱したら塩とこしょうで味を整え、すぐに火を止め完成です。
  • 山芋のポタージュはこのままでもおいしく食べられますが、玉ねぎの粒が気になる人は、さらにブレンダーやミキサーにかけると良いでしょう。滑らかに仕上げることができ、口当たりがよくなりますよ。

まとめ

朝のつらさは年齢に関係なく起こりやすい症状です。

薬膳を取り入れることは、今すぐに誰にでもできる改善方法です。元気な一日を過ごすためにも、ぜひ明日から取り入れてみてくださいね。

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