秋の不安感を落ち着ける薬膳スープ:心を整える東洋医学の知恵

blue and white abstract painting 普段使いの薬膳レシピ
Photo by Ricky Esquivel on Pexels.com

秋の空が高く澄んでくると同時に、なんとなく気持ちが沈んだり、焦りや不安を感じたりすることはありませんか?
東洋医学では、秋は「肺」と深く関わる季節とされますが、同時に「心(しん)」のバランスも崩れやすくなる時期です。乾燥や気温の変化によって体の“潤い”が不足し、精神的にも不安定になりやすいのです。
今回はそんな秋の不安感を和らげ、心を穏やかに整える「薬膳スープ」をご紹介します。


🌸東洋医学の視点からみる「秋の不安」

秋は「陰陽転化」の季節。陽気が収まり、陰気が増すため、自然界のエネルギーは内へと向かいます。
この時期に無理をしたり、十分な睡眠をとらなかったりすると、「心陰虚(しんいんきょ)」と呼ばれる状態になり、不眠や焦燥感、胸のドキドキなどが起こりやすくなります。

また、肺と心は五行で「金」と「火」に属し、火(金)克関係にあります。乾燥によって肺が弱まると、心にも負担がかかり、精神の安定が乱れやすくなるのです。


🍠秋の不安をやわらげる食材

心を整えるには、「潤い」「気血の補い」「神(しん:心の働き)の安定」がキーワードです。
おすすめの食材は以下の通りです。

  • 蓮の実(れんこんの種):心を養い、イライラを鎮める
  • 百合根(ゆりね):心陰を補い、不安や不眠を和らげる
  • 大棗(なつめ):気と血を補い、精神を安定させる
  • 黒ごま:潤いを与え、肝・腎を補って心の安定をサポート
  • 鶏むね肉:消化にやさしく、気を補うたんぱく源

🍲レシピ:心を落ち着ける薬膳スープ

材料(2人分)

  • 鶏むね肉 … 100g
  • 百合根(生または乾燥) … 20g
  • 蓮の実(乾燥) … 15g(あらかじめ1時間ほど水戻し)
  • 大棗(なつめ) … 2個
  • クコの実 … 小さじ1
  • 生姜スライス … 2枚
  • 水 … 600ml
  • 塩 … 少々

作り方

  1. 鶏むね肉を一口大に切る。
  2. 鍋に水と生姜を入れ、鶏肉・蓮の実・大棗を加えて火にかける。
  3. 沸騰したらアクをとり、弱火で20分ほど煮る。
  4. 百合根を加えてさらに10分煮、最後にクコの実を加えてひと煮立ち。
  5. 塩で味をととのえたら完成。

やさしい甘みとまろやかな香りが心をほっと落ち着けてくれます。


🧘‍♀️生活養生のポイント

  • 寝る前のスマホやテレビを避け、「陰」を養う時間を意識的に持つ。
  • アロマでは、ラベンダーやサンダルウッドなど“心火”を鎮める香りがおすすめ。
  • 軽いストレッチや深呼吸で、胸の気をめぐらせると気分の落ち込みが和らぎます。

💬まとめ

秋の不安感は、心の「潤い不足」からくるサインでもあります。
身体の内側からやさしく整える薬膳スープを取り入れて、心身をゆっくりと“秋仕様”に切り替えていきましょう。

タイトルとURLをコピーしました