老化との付き合い方

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老化の速度を緩める方法について

老化とは何でしょうか?

老化とは、陰陽や虚実の変化、脾の機能低下、あるいは先天の精の減少と言ったことが原因で引き起こされます。

老化は誰しも経験します。

そして老化からは逃げられません。

それならば老化とどううまく付き合っていけばいいのでしょうか?

老化を止めることができませんが、老化の速度を緩めることはできます。

そんな穏やかな老化との付き合い方をするにはどうすればよいのでしょうか?

今回は私たちにとって切実な問題、老化についてご紹介いたします。

adult affection baby child
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老化とは

老化とは何でしょうか?

東洋医学では、老化について二つの大きな変化があると考えます。

「陽から陰への変化」と「実から虚への変化」です。

「陽から陰への変化」とは、体が熱を発することができる状態から、冷えて寒さに弱くなる状態へ変化することです。

「実から虚への変化」とは、体力や気力が充実しており、病気に対する抵抗力が強い状態から体力や気力が充実していないため、病気に対する抵抗力や反応が弱い状態へと変化することです。

また脾と腎は、とくに老化に関係している臓器です。

老化によって脾の機能が低下すると、食欲不振、消化不良、下痢や吐き気などの消化器に関する不調が多くなります。消化吸収がうまくいかないと、気が十分に作れず、疲れを感じ、気力もわきません。さらに胃腸の働きが衰えると良い筋肉も作れなくなります。そうすることで足腰の筋肉が弱り、次第に若い時よりも歩けなくなるのです。

腎に蓄えられている腎精が減少することも老化の原因です。腎精が減少すると、皮膚につやがない、白髪、眼のかすみ、頻尿、耳が遠い、耳鳴りなどの症状があらわれます。また水分代謝が低下し、老廃物を溜め込み、脂肪が体内に滞るようになり、中年太りを引き起こすのです。

老化の詳細はこちら

対処法

加齢は自然現象なので止めることはできませんが、その速度を緩めることはできます。

各自に合った養生について、以下の対処法でご紹介します。

老化の症状

女性は7の倍数、男性は8の倍数で体に大きな変化が起こり、老化を感じ始めるのは女性が35歳前後、男性が42歳前後が多いとされています。

そんな老化予防は早くから始めることが重要です。またこまめな養生が、老化の進行を緩やかにします。

無駄に気を消耗して、老化を早めないためには、病気や風邪の予防も肝心です。たとえば本格的に風邪を引いてしまうと風邪から回復するために大きなエネルギーが必要です。そうした余計な気の消耗を防ぐためには、風邪の引き始めに温かくして十分な休養をとるなど早めに対処することが重要です。

基本の対策

老化に対する対策は、しっかり睡眠をとる、バランスのとれた食事をする、運動とストレッチをする、老廃物を溜めないといったことが重要です。

とくに老化予防は不要なものを排出し、必要なものを補充するということが大切です。年齢を重ねると老廃物を出す力が低下し、必要な気、血、津液をつくる力も低下します。排出と補充の両方を意識しましょう。

脾の養生

食欲不振、疲れやすい、お腹が張る、食後に眠たくなる、軟便、痣ができやすいといった症状に悩まされている方は、脾が弱り、気、血、津液を作り出すことができなくなることで老化が早まっているのかもしれません。

そんな方には脾の働きを正常にする脾の養生がおすすめです。

脾の不調で出る症状

脾の変調が出るところは、口、筋肉、唇、「思」の感情(思慮深さ)、涎です。

それでは、脾の不調で出る症状とは具体的にはどんな症状なのでしょうか?

食欲不振、疲れやすい、食後に眠たくなる、軟便、下痢、痣が出きやすい、お腹がもたれやすい、おなかがもたれやすい、内蔵下垂、出血しやすい、むくみ・痰、味覚異常

上記のような症状で悩まされている場合、脾の養生がおすすめです。

対策                                                               

梅雨やじめじめした湿の多い時期に負担がかかりやすいため、食事はかんで食べるようにしましょう。

水分代謝が悪く、むくみがある人は、余分な水分を取り除くことで脾の働きを助けます。

油っこいもの、甘いものなどは控えましょう。

脾の不調には、以下の食材を積極的に取るようにするといいです。

脾の働きを助ける食材

うるち米、玄米、もち米、さつまいも、じゃがいも、山芋、黒豆、大豆、枝豆、おくら、カリフラワー、小松菜、チンゲン菜、人参、ねぎ、白菜、ブロッコリー、りんご、ライチ、栗、いわし、すずき、たい、ぶり、牛肉、鴨肉、大棗

体の水分を取り除く食材

とうもろこし、冬瓜、なす、もやし、レタス、すいか、小豆、黒豆、緑豆、アスパラガス、きゅうり、あさり、鴨肉、昆布、海藻類、ウーロン茶、プーアール茶、紅茶、ココア、コーヒー、緑茶など

腎の養生

腰痛、足腰がだるい、耳の症状、老化が早い、むくみなどといった症状に悩まされている方は、腎が弱り、老化が早まっているのかもしれません。

そんな方には腎の働きを助ける腎の養生がおすすめです。

腎の不調で出る症状

腎の不調が出るところは、耳、尿口、肛門、骨、神、「恐」・「驚」感情、唾です。

それでは、腎の不調で出る症状とは具体的にはどんな症状なのでしょうか?

足がむくみやすい、足腰がだるい、トイレが近い、耳のトラブル、抜け毛、白毛、精力減退、インポテンツ、不妊、骨がもろい、老化が人より早い、先天性発育不全、夜間頻尿

上記のような症状で悩まされている場合、腎の養生がおすすめです。

対策

冷えに弱い臓なので冬の時期に負担がかかりやすいです。とくに下半身を温めるようにしましょう。

腰が痛い、白髪、耳の不調は早めから腎にいい食材がおすすめです。それでも改善しない場合は、同時に脾の養生も取り入れましょう。

腎の働きを助ける食材

黒米、小麦、山芋、カシューナッツ、黒ゴマ、くるみ、粟、黒豆、枝豆、カリフラワー、キャベツ、ごぼう、桑の実、プルーン、ぶどう、ブルーベリー、クコの実、鰻、海老、貝柱、ししゃも、すずき、スッポン、たい、豚肉

老化の速度は緩めることはできる

老化を止めることができませんが、老化の速度を緩めることはできます。

老化を感じ始めるのは女性が35歳前後、男性が42歳前後。

老化予防は「早め」で「こまめ」な養生と、無駄に気を消耗して老化を早めないために病気や風邪の予防も肝心です。

また老化と関係が深い、脾や腎の養生も忘れてはいけません

穏やかな老化と付き合うために、老化の症状を自覚し、自分に合った養生を心掛けましょう。