■□管理薬膳師について■□

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薬膳には様々な資格がありますが「管理薬膳師」という資格を取得した方の体験談を紹介させていtだきます。

日本薬膳学会認定の資格で三重県での取得になりますが、東京では健美ソムリエの資格取得ができるようです。

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Photo by Ketut Subiyanto on Pexels.com

<管理薬膳師って何?>

まずは、管理薬膳師がどのような資格かお伝えします。

管理薬膳師とは、一般社団法人 日本薬膳学会が創設する、西洋医学に基づく栄養学の最新成果と伝統ある東洋医学の両者をバランスよく融合した新しい薬膳の資格です。

この資格を取得すると、「食に基づく健康管理」に関する幅広い実践力が習得でき、健康や病気の予防など日常生活に役立てることができます。

また、将来的には家庭だけでなく、飲食店、福祉施設、病院等で健康に配慮した新しいメニューを考え、調理することができるようになります。

<私がこの資格を取得した理由>

数ある薬膳資格の中で、私がこの管理薬膳師の資格を取得しようと思った理由をお話しします。

私は、管理栄養士の資格を取得するために大学へ入りましたが、ほかにも食に関する資格を取りたいと思い、いろいろな資格を調べていました。食育アドバイザーやフードコーディネーターなどの資格がありましたが、それらの中でも「未病を防ぐことができる」という薬膳に興味を持ちました。さらに調べていくと薬膳資格の種類の多さに尻込みし、資格取得はいったん保留となりました。

管理栄養士国家試験の勉強もあったため、結局何もしないまま卒業、就職する年になり、薬膳資格を取るのはもう少し先かなと考えていました。

しかし、卒業するその年に新しく講座が開かれる資格があると聞き、受講を決めました。

一番の決め手となった理由は、受講会場が母校である鈴鹿医療科学大学であったことと、お世話になった先生方が講師を務められることでした。

<資格を取得するには?>

この資格は、一般社団法人 日本薬膳学会が主催する「管理薬膳師講座」を受講し、認定試験に合格することで取得できます。

<管理薬膳師講座の詳細>

この講座は、東西洋医学双方から「体の構造と機能」を学んだ上で、東洋医学の薬膳と西洋医学の栄養学の両者を学習し、これからの時代に強く求められる「予防医学(未病)を食から実践できる人材」の育成を行うことを目的としています。

2015年から三重県鈴鹿市にある鈴鹿医療科学大学にて毎年実施されています。(残念ながら2020年度は新型コロナウイルスの影響で中止となりました。)

6月から月1~2回日曜日に講座があり、講座が終了すると翌年2月に認定試験があります。6月から9月までが前期、10月から2月までが後期と分けられています。

対象者は調理師、栄養士、管理栄養士、介護福祉士、看護師、薬剤師、鍼灸師などの医療関連分野の資格を持っている方はもちろん、薬膳に興味があるどんな方でも受講することが可能です。実際に私が受講した2015年の講座では、主婦の方が多く参加していました。当時は30名ほどが参加していました。女性だけでなく男性の方も参加されており、年齢層も幅広かったです。

現在も少人数で行うため、定員を30名としています。最少人数は6名以上で開講しています。

講座の内容(カリキュラム)としては、初日と2回目の講座で「体の構造と機能の基礎(運動器系、循環器系、呼吸器系、消化器系、内分泌系、泌尿器系など)」を学びます。

その後、「基礎栄養学」、「食品学」、「中医学基礎」、「薬膳学」を2日間ずつ学びます。

講座がすべて終了すると、最終日に実習と認定試験があります。

この実習は、薬膳料理を作る調理実習となっていたようです。講座で頂いた資料に実習で作るメニューが載っていたため掲載させて頂きます。

☆糖尿病「下消」の薬膳

 【主食】玄米しらすご飯

【主菜】手作りがんも&いわしのつみれ

【副菜】ゴーヤの酢の物

【汁物】冬瓜汁

【デザート】羅漢果(らかんか)寒天

ただ、記憶が曖昧で実習の内容をあまり覚えていないためしっかりお話できず申し訳ありません。実習以外にも、休み時間に先生が中国から取り寄せた羅漢果や山査子(さんざし)などを使った薬膳茶の試飲があり楽しい時間を過ごせました。苦いイメージがあった薬膳でしたが、口にしやすいという認識に変わりました。受講者でわいわい試飲ができ良い思い出となっています。授業の一環として薬膳学会に参加したこともありました。

実習以外の各講座はそれぞれ科目専門の先生に授業を担当して頂きます。

講座は1限が一時間半となっています。午前中に2限、一時間半の休憩後、午後に2限あります。一時間半という時間は長く感じられるかもしれませんが、毎回新しい知識を学ぶことができるのであっという間に感じられました。

<資格取得するまでにかかる費用>

それではここで、この資格を取得するまでにどのくらい費用が必要なのかお伝えします。管理薬膳師講座の詳細に明記されていますが、以下の5つの費用が必要となります。

  • 管理薬膳師講座受講料:前期30,000円、後期30,000円(受講登録料含みます。)
  • 認定試験受験料:10,000円(認定試験受験時に必要です。)
  • 認定登録料:10,000円(認定試験合格時に必要です。)
  • 更新手続き料:5,000円(5年に一度必要です。)
  • その他費用:実習の材料費は別途必要です。

講座を欠席した場合、DVD視聴および課題提出がありますが、1科目3,000円必要となります。また、不足科目を次年度再履修する場合は、1科目5,000円必要です。

<どんな勉強をすればいいの?>

資格取得までに約70,000円費用がかかるので、試験には絶対に合格したいですよね。

少しだけ実際に私の行った勉強方法をお話しさせて頂きます。

最初に述べたとおり、私は管理栄養士国家試験の勉強をしていたのですが、学習内容が管理薬膳師のそれと被る点が多くありました。そのため、管理薬膳師認定試験の勉強もしやすかったです。

もし管理栄養士や栄養士資格を持たれているのであれば、比較的勉強しやすい内容になっていると思います。もちろん、資格の勉強をしたことがない方でも合格は十分可能です。

個人的に、資格試験は過去問題を解きまくることが合格への近道だと考えています。

しかし、管理薬膳師の過去問はインターネット上で検索してもでてこないため、講座でもらえる資料をどれだけ復習するかがポイントになってきます。一冊の資料がかなり広い範囲となっているため、隙間時間に少しずつ読み返すことをお勧めします。

また、科目によっては模擬問題が配布されるため、その問題を暗記するくらい勉強すれば試験様式も慣れますし、その科目は合格点をとることができます。

試験問題は、問題文があって、五つある選択肢の中から一つ選択するものでした。

勉強時間ですが、私は試験の1か月程前から一日1時間くらい時間をとることで合格できました。働きながら勉強される方も多いと思いますが、こつこつ勉強を続けて合格を目指して頂きたいと思います。

<資格取得時と取得後の注意事項>

無事に試験に合格したら、管理薬膳師の登録・認定を行うために日本薬膳学会へ入会が必要となります。その際上記費用の③が必要です。

合格しただけでは資格認定されないので注意しましょう。また、管理薬膳師資格認定後は五年に一度更新手続きが必要となります。

薬膳の資格の中には更新手続きが必要のない資格(例:和漢膳薬膳師=薬膳マイスター)もありますので、どの資格を選ぶか検討する際の参考にして頂ければ幸いです。

<終わりに>

ここまで読んで頂きありがとうございました。管理薬膳師講座は医療大学ならではの栄養学も学ぶことができるため、栄養学に興味がある方はお勧めです。

薬膳の資格取得を考えていて、講座受講のために鈴鹿市へアクセスが可能な方は、選択候補の一つに入れて頂けると嬉しいです。

上記内容は2015年当時と2018年度募集時の情報となります。講座についての詳細や申し込み方法等は一般社団法人 日本薬膳学会のホームページにてご確認ください。

参考URL: http://yakuzen.jpn.org/ 

 一般社団法人 日本薬膳学会ホームページ「管理薬膳師講座」