秋の風が冷たく感じるようになると、「お通じが出にくい」「肌がカサカサする」「喉が乾きやすい」など、乾燥による不調が増えてきます。
実は、東洋医学では“肺と大腸”は深くつながっており、肺が乾くと大腸も潤いを失いやすくなるのです。今回は、秋の便秘を改善し、内側から潤いを与える薬膳と生活養生をご紹介します。
🌬️東洋医学の視点:「肺」と「大腸」は表裏の関係
五臓のうち、肺は「気」を巡らせ、皮膚や粘膜を守る働きを持ちます。一方の大腸は、不要なものを体外に排出する臓腑。
東洋医学では、肺と大腸は“表裏関係”にあり、肺が潤えば大腸も潤い、肺が乾くと便秘が起こりやすくなると考えます。
秋は「燥邪(そうじゃ)」の季節で、乾いた空気が肺と大腸にダメージを与えやすい時期。これが便秘や肌荒れの一因になるのです。
🍐潤いを補う食材
乾燥対策には「潤いを補う白い食材」や、「油分を適度に含む食材」を選びましょう。
- 白きくらげ:潤肺・潤腸の代表。乾燥による便秘に◎
- 梨(なし):肺を潤し、咳や喉の乾きにもよい
- ごま(特に黒ごま):腸を潤し、通便を促す
- 長芋:胃腸を補い、乾燥で弱った体をサポート
- オリーブオイル:潤いを守りながら腸の動きを助ける
🍲レシピ:白きくらげと梨の潤いスープ
材料(2〜3人分)
- 白きくらげ(乾燥) … 5g(戻して食べやすく切る)
- 梨 … 1/2個(皮をむいて一口大)
- 大棗(なつめ) … 2個
- クコの実 … 小さじ1
- はちみつ … 小さじ1(好みで)
- 水 … 600ml
作り方
- 鍋に水・白きくらげ・なつめを入れ、中火で20分ほど煮る。
- 梨を加えてさらに10分ほど煮て、最後にクコの実を加える。
- 火を止めて粗熱が取れたら、好みではちみつを加える。
ほんのり甘く、潤いを感じるデザートスープです。
朝晩の気温差で乾きがちな秋の体にやさしく染み渡ります。
☯生活養生のポイント
1. 呼吸を深くする
浅い呼吸は肺を弱らせます。朝晩の涼しい空気の中で深呼吸し、胸の気をめぐらせましょう。
2. 水分補給を“温かく”
冷たい水ではなく、白湯やハーブティーで体の潤いを保ちましょう。
3. 腸を冷やさない食事
生野菜や冷たい飲み物は避け、蒸し野菜やスープなどで温かく保つことが大切です。
4. 睡眠をしっかりとる
夜更かしは“陰”を消耗し、乾燥体質を悪化させます。22時前後の就寝を意識して。
💬まとめ
便秘や乾燥は、肺と大腸の潤いバランスが崩れたサイン。
白きくらげや梨などの潤い食材を日常に取り入れ、体の内側からしっとりと整えていきましょう。
季節に寄り添う薬膳が、秋の快適な毎日を支えてくれます。




