■□秋にたべたいユリ根□■

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<秋に食べるとよい食材とは?>

秋が深まってくる今日この頃ですが、皆さまいかがお過ごしですか。

少しずつ寒くなってきて乾燥しやすくなる季節ですね。

朝晩の気温差も大きく、体調を崩している方もいるのではないでしょうか。

冬に備えて養生していきたいところです。そんな秋にこそ摂りたい食材を薬膳の観点からお伝えしていきたいと思います。

girl playing with leaves
Photo by JoEllen Moths on Pexels.com

<秋について>

ところで皆さんは、いつからいつまでが「秋」になるのかご存じですか?

秋は立秋から立冬までをいいますが、暦では8月上旬が立秋、11月上旬が立冬とされているので、実は8月からもう秋ということになるのです。

秋は乾燥しやすく、津液や肺を損傷しやすいという特徴があります。

今回は、秋の中でも「初秋」と「晩秋」それぞれで食べて頂きたい食材をご紹介します。

<初秋とは>

8月下旬から9月上旬までをいいます。夏の温気と秋の燥気が一緒になっている状態=温燥の気候となります。初秋は残暑による熱邪や秋の燥邪を取り除き、肺を潤すことが重要であり、適切に涼(微寒)性、甘味を持つ食材を摂取すること(=清燥潤肺)が推奨されます。

また、暑邪により身体の気と陰(津液)が消耗されているため甘味かつ平性を持ち、補気養陰の食材で補う必要(=益気養陰)があります。

おすすめの食材⇒初秋にはユリ根、無花果、白木耳の摂取がおすすめです。気と陰の両方を補う作用を持つ長芋も摂取しましょう。また、陰を補う枸杞子も摂取すると良いでしょう。他にも秋が旬の秋刀魚、サバ、落花生、梨などもおすすめです。

<晩秋とは>

11月上旬から下旬までを言います。燥気に冬の寒気が加わる状態=涼燥の気候となります。

晩秋は、冬に向かって燥邪を取り除くと同時に寒邪の侵襲を予防する必要があり、潤し温める食材を摂取する(=温肺潤燥)必要があります。

おすすめの食材⇒晩秋には補腎・温肺・潤腸の効能がある胡桃の摂取がおすすめです。

<秋におすすめ食材>

ここからは先ほど挙げた食材について詳しくお伝えしていきます。

では、初秋にお勧めの食材であるユリ根についてお話します。ユリ根を使った料理のレシピも紹介致しますので、興味があれば是非作ってみてください。

◎ユリ根

・産地:北半球のアジアを中心にヨーロッパや北アメリカなどの亜熱帯から温帯、亜寒帯

    日本の産地は北海道が全国シェアの90%以上を占めています。

・性味帰経※:涼(微寒)・甘・心・肺

・薬効成分:食物繊維、カリウム、マグネシウム、リン、鉄、マンガン、セレン、葉酸

・効能:養陰潤肺、精神安神

・健康効果:鎮咳作用(咳をとめ、空咳によく効きます。)

      鎮静作用(精神を安定させ、不眠に良いとされます。)

      通便効果(食物繊維豊富なため腸を整える作用があります。)

・旬の時期:栽培時期は4月~9月で、旬は12月~2月です。

ユリ根をつかったレシピ

ユリ根と牛肉の炒め物

☆材料(2人分)

ユリ根       1個

牛肉細切れ   150g

しめじ    1/2パック

バター    大さじ1

酒      大さじ1

醤油     大さじ1

塩コショウ  適量

 ☆作り方

 ①ユリ根は根元を切り落とし、1枚ずつはがしてよく洗います。

黒いところは削り、大きいものは半分に切りましょう。

 ②しめじは小房に分けます。

 ③フライパンにバターを入れ中火で熱し、牛肉を加えて炒めます。

 ④牛肉の色が変わってきたら、①と②を加えて軽く炒めます。

 ⑤酒を入れてふたをします。2~3分火を通しユリ根が柔らかくなるまで炒めます。

 ⑥醤油、塩コショウで味付けし器に盛りつけて完成です。

上記レシピはキッコーマンさんのレシピを紹介させて頂きました。

秋が旬のしめじが使われていて美味しそうですよね。旬の食材を組み合わせることも薬膳のポイントの一つです。そして何より、調理方法も簡単なのでおすすめの一品です。

他にもユリ根はご飯と一緒に炊いたり、茶碗蒸しやスープに入れたりするなどさまざまな調理方法があります。乾燥させたユリ根も売られているため、普段の料理に取り入れやすくなっています。

しかし、ユリ根は育てるのに6年という歳月がかかるため値段が高く、高級食材とも言われています。高いものだと1個400円ほどするそうです。また、関西への流通がほとんどと言われているため、近くのスーパーではなかなか手に入らないという方もいらっしゃるかと思います。そんな時は別の食材を代用してみると良いかもしれません。

ここからはユリ根に代わる食材をご紹介させて頂きます。

<ユリ根の代わりになる食材とは?>

ユリ根の代わりにお勧めしたい食材はレンコンと長芋です。実はこの二つ、ユリ根に似た特徴があるのです。以下、それぞれの特徴をお伝えしていきます。

◎レンコン

・産地:原産国はインドで中国にわたり、日本に伝えられました。

・性味帰経:寒・甘・心・肺・脾

・薬効成分:食物繊維、ビタミンB12、ビタミンC、カリウム、ムチン、タンニン

・効能:清熱生津、涼血散瘀、止血

・健康効果:清炎・止血作用(胃の出血や潰瘍を防ぎます。)

      抗酸化作用(がんや動脈硬化の予防が期待されます。)

      通便効果(食物繊維が含まれるため腸を整える作用があります。)

・旬の時期:11月~2月

・レシピ:長芋のレシピと共に紹介します。

◎長芋

・産地:中国原産で日本へは17世紀以前に伝えられました。主に青森県、北海道、長野県で栽培されています。

・性味帰経:平・甘・脾・肺・腎

・薬効成分:アミラーゼ、アルギニン酸、コリン、たんぱく質、でんぷん、ムチン、ヨウ素

・効能:益気養陰、補肺脾腎

・健康効果:滋養強壮作用(消渇、下痢、胃腸虚弱に効果があります。)

      筋肉、肌の保養(疲労と痩せを防ぎます。)

      鎮咳作用(慢性の咳によく効きます。)

・旬の時期:4月~5月、11月~2月

・レシピ:レンコンと長芋のきんぴら

 ☆材料(2人分)

 レンコン   100g     

長芋     100g

醤油     大さじ2

酒      大さじ1

みりん    大さじ1

砂糖     小さじ1

顆粒和風だし 小さじ1

ごま油    大さじ1

白いりごま  大さじ1

☆作り方

①レンコンは皮をむき、5㎜幅に切り、水にさらしておきます。

②長芋も皮をむき、5㎜幅に切ります。

③フライパンを熱し、ごま油を入れ、①と②を入れて中火で全体がなじむまで炒めます。

④醤油から顆粒和風だしまで調味料を入れ、汁けがなくなるまで炒め、白いりごまを入れ、全体がなじんだら、皿に盛り付けて出来上がりです。

こちらはクラシルさんのレシピの山芋を長芋に変えて紹介させて頂きました。

長芋のホクホクした食感はユリ根の食感にも似ているそうですよ。

少し濃いめの味付けなのでお弁当のおかずにもできそうですね。

まとめ

いかがでしたか?

性味でいうとユリ根は涼性で、レンコンは寒性、長芋は平性なので性質は異なりますが、

五味でいうと甘味に分類される点や肺に帰経する点で共通点があると言えます。

レンコンと長芋であればスーパーでも手軽に購入ができると思います。

それぞれの食材は炒めたり煮たり加熱調理することで、より甘味を引き出すことができ

ますので一度上記レシピを作って頂けると嬉しいです。

もちろん他にもいろいろな調理方法ありますので、是非チャレンジして頂ければと

思います。食欲の秋、楽しく薬膳を取り入れ養生して冬へ備えましょうね。

※性味とは、五性(温・熱・涼・寒の四気に作用の緩やかな平を合わせたもの)と五味(酸・苦・甘・辛・鹹)を合わせたものです。帰経とは、生薬や食材が身体のどの部位や臓器に影響があるかを示したものです。一つの食材で一つの帰経の場合もありますが、いくつも帰経があるものが多いです。

<参考URL>

https://www.kikkoman.co.jp/homecook/series/yurine02.html

https://www.kurashiru.com/recipes/f8b2b897-fb05-4931-98af-da10942e1d62

https://www.kitayasai.com/yasai/yasai15.html

<参考文献>

日本薬膳学会 管理薬膳講座2015年「薬膳の基礎‐食材の作用」