水毒や冷えは浮腫みの原因に?薬膳でつらい浮腫みを改善しましょう

green tree 普段使いの薬膳レシピ
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朝起きたら顔が浮腫んでいる、一日中立ち仕事で夕方になると足が浮腫むなど、浮腫みに悩まされている女性は案外多いものです。

なかには、普段から浮腫みやすいと感じている方もいるかもしれません。

じつは、水毒や冷えが浮腫みを引き起こす原因となっているのです。症状が気になったら、水毒や冷えに効果的な薬膳を使って、浮腫みを改善していきましょう。

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浮腫みの原因

まずは浮腫みの原因について解説したいと思います。

水分の摂りすぎ

浮腫みのおもな原因となるのが身体の水分が過剰になるためです。

水分を摂りすぎによって、身体に余分な水分が溜まる「水毒(または水滞)」を引き起こしてしまいます。

水毒の状態は水の巡りが悪く、浮腫みをはじめ、身体のだるさや疲れを引き起こします。健康のために、水分をたくさん摂っているという方もいるかもしれませんが、水の摂り方を間違えると、水毒へと繋がってしまうので注意しましょう。

塩分の摂りすぎ

塩分の摂りすぎも浮腫みの原因となります。

塩分の多い食事を摂ると、血中の塩分濃度が上がり、濃度を一定にしようとたくさんの水分を溜め込んでしまいます。飲み会の次の日に顔が浮腫みやすいという人は、塩分の摂りすぎによって水分を溜め込んでしまっていることが考えられます。

また、アルコールを分解するためにも水分が必要で、たくさんの水を飲んでしまいがちです。飲み会のあとは水分が身体に溜まりやすい条件が揃っているので、特に気を付けなければいけません。

身体の冷え

身体の冷えと浮腫みも密接な関係があります。

人は寒さを感じたら、脳の視床下部に指令が行き、血管を収縮します。血管を収縮し、血液の流れを少なくすることで、体温を外に逃さないようにしようとするためです。

しかし、慢性的な冷えが起こっていると血液の流れは悪いままで、細胞と細胞のあいだに水分が停滞し、浮腫みの原因となってしまいます。

浮腫みの種類と対処法

ひと口に浮腫みと言っても、浮腫みには大きく分けて「急性の浮腫み」と「慢性の浮腫み」さらに「梅雨の浮腫み」などがあります。

急性の浮腫み

急性の浮腫みとは、たとえば、お酒を飲んだ次の日の朝の浮腫みや、長時間の立ち仕事や座りっぱなしによって起こる浮腫みのことを指します。

長時間の立ち仕事や座りっぱなしで浮腫みになってしまう原因も、血流の流れの悪さが影響していることで起こります。筋肉の働きが悪くなり、身体の血液を心臓へ戻す働きが弱くなるのです。

急性の浮腫みは発汗することが大切で、発汗作用のある薬膳を摂るのがおすすめです。

慢性の浮腫み

一方、慢性的な浮腫みに悩まされている方は、普段から水分が溜まっている状態になっています。利尿作用のある薬膳をとって、身体の水分を外に出すように意識しましょう。

ただし、慢性の浮腫みには、ストレスなどによる自律神経の乱れが原因であったり、なかには病気が隠れていることもあります。長期間続くようであれば病院へ行くことも大切です。

梅雨の浮腫み

梅雨は、浮腫みが起こりやすい時期と言われています。

というのも、梅雨は湿度が高く、中医学で言う「湿邪」の状態になりやすいのです。

湿邪とは、外的要因による病として考えられている「六淫(りくいん)」の一つです。梅雨の時期はとくに「湿」の外気が強くなるため、湿邪が起こりやすいとされています。

湿邪は脾胃ととても深い関係があり、湿邪になると脾胃が弱ります。また、脾胃が弱ると水を停滞させ、さらに湿邪になりやすくなるのです。

梅雨の浮腫みには、健脾利湿の働きをする薬膳がおすすめ。脾を健やかにし、湿を排泄するということが大切なのです。薬膳をうまく活用して、湿邪に負けない体づくりをしていきましょう。

浮腫みにおすすめの薬膳

それでは、浮腫みにおすすめの薬膳を紹介していきたいと思います。

おすすめの食材

海藻やイモ類は、塩分を排泄する働きのある薬膳です。余分な塩分を出すことで、必要以上に水分を溜め込まないようになります。

また、栗や唐辛子、鯵は血流を良くして手足の冷えを改善する薬膳としておすすめです。

海老や黒豆、小豆も血流を良くし、全身の冷えを改善します。

健脾利湿の働きをする薬膳には、イモ類や豆類がおすすめなので、積極的に摂取していきましょう。

薬膳レシピ

それではおすすめの薬膳レシピの紹介です。

普段の食事メニューに取り入れたい「鯵のピリ辛焼き」や、栗と小豆を一緒に味わえる「栗入りお赤飯」、ほっと一息ついて飲みたくなる「黒豆茶」を紹介していきたいと思います。

鯵のピリ辛焼き 3~4人分

【材料】

真鯵 3尾

水 大さじ2

砂糖 大さじ1/2

醤油 大さじ1

酒 大さじ1

豆板醤 小さじ1/2

粉末だし 小さじ1/2

片栗粉 適量

【作り方】

  1. 真鯵は三枚おろしにし、洗って水気を良く拭き取っておきます。大きすぎる場合は半分に切っても良いでしょう。
  2. 真鯵と片栗粉以外の材料を、調味料として混ぜ合わせておきます。
  3. 真鯵に片栗粉をまぶします。片栗粉は真鯵から水分が出ないよう、焼く直前につけるようにしましょう。
  4. 熱したフライパンに油をしき、③の真鯵を並べていきます。鯵は皮目から焼き、パリッと焼き色をつけてください。
  5. 皮に焼き色がついたら裏返し、さらに3分ほど焼いていきます。
  6. ②の調味料をフライパンに入れ、鯵をからめながら煮詰めます。
  7. とろみがついて、鯵にタレが絡んだら完成です。

栗入りお赤飯 3~4人分

【材料】

もち米 3合(お好みで1合分を白米に変えてもOK)

生栗 10~13粒

小豆(またはささげ) 40g

塩 小さじ1/2

【作り方】

  1. お米は研いでザルにあげ、水を良く切ります。お米はもち米を3合分使いますが、あっさりがお好みであれば、1合を白米に変えても良いですよ。
  2. ボウルに生栗を入れ、熱湯を注ぎ、お湯が冷めるまで放置しておきましょう。熱湯に浸しておくことで栗の皮が柔らかくなり、剥きやすくなります。
  3. 小豆は洗って500mlのお湯で20分ほど煮ます。小豆の代わりに、関東では一般的なささげを使うと皮が破れにくくおすすめです。20分経ったら小豆をザルにあげ、汁と分けておきましょう。
  4. ②の栗は渋皮まで剥き、水に浸けてアク抜きします。
  5. 研いだもち米と小豆を炊飯器に入れ、小豆の茹で汁を加えます。茹で汁は炊飯器の内釜にある3合の目盛りまで入れますが、足りない分は水を加えて合わせてください。
  6. 塩を加え、全体を混ぜたら栗をのせ、通常モードで炊飯しましょう。塩を入れることで栗の甘みが増しますが、あまり赤飯自体に塩味をつけたくない場合は、塩をひとつまみにして炊いても良いでしょう。炊きあがった後、お好みの量のゴマ塩をふって食べるのもおすすめですよ。

黒豆茶

【材料】

乾燥黒豆 200g

【作り方】

  1. 黒豆は洗ってザルにあげておきます。
  2. フライパンに①の黒豆を入れ、火をつけたら弱火で20分ほど炒っていきましょう。だんだん香ばしい香りがしてきますよ。
  3. 20分ほど経ち、皮が割れて中の色が変わったら、火を止めます。
  4. 冷めるまでそのまま放置し、完全に冷めたら保存容器に入れて完成です。
  5. 飲むときは大さじ1杯の黒豆に、200mlのお湯を入れて2~3分ほど待つとしっかり黒豆の味がでます。2ヶ月ほど保存できるので多めに炒って保存しておくと良いでしょう。

まとめ

浮腫みは、ひどくなるとなかなか元に戻りにくくなります。

急性的な浮腫みは誰にでも起こりえることです。日ごろから自分の身体に意識を向け、浮腫みの種類に合った薬膳を取り入れていきましょう。

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