すぐに風邪をひいてしまったり、体調不良になりやすかったり、普段から体力がないと感じている方はいませんか?
そんなあなたは免疫力が落ちているかもしれません。感染症が気になる今、対策の一つとしてもぜひ免疫力を上げておきたいものです。
免疫力を上げることで、さまざまな病気にもかかりにくくなります。薬膳をうまく活用して、しっかり対策していきましょう。

免疫とは
まず、免疫について少しお話しておきます。
免疫とは、簡単に言うと外部からの異物を排除する防御システムのことです。「疾病から免れる」という意味で用いられています。
五臓六腑のバランスを考える中医学では、免疫力はとても重要なことと考えます。薬に頼らず本来の治癒力を高めることで、病気を未然に防いだり、病気にかかってもすぐに治癒しやすい状態にしておくことが大切なのです。
免疫力が低いと病気にかかりやすい?
免疫力が低いと、外部から侵入する異物に抵抗する力が弱いため、病気にかかりやすくなります。
特に身体が疲れているときは免疫力も下がりやすくなります。免疫力を上げることを意識することに加え、普段から疲れを溜めないようにすることも大切です。
さらに、免疫力が低いと身体が乾燥しやすくなり、喉や鼻に潤いがなくなります。喉や鼻の粘膜は風邪などの原因菌やウイルスの侵入を防ぐ役割がありますが、潤いがないと侵入を許してしまうことになるのです。
「気」を補うことで免疫力を上げる
中医学において、「気」はエネルギーそのもの。「気」を補うことで体内のバリア機能が働き、外部からのダメージを受けにくくすることができます。
「気」はまさに免疫力と言っても過言ではありません。「気」を補うことで身体の血の巡りもよくなり乾燥を防ぐこともできます。意識して「気」を補うようにしましょう。
免疫力を上げたい方におすすめの薬膳
ここからは、免疫力を上げたい方におすすめの薬膳を紹介していきます。
免疫力を上げるためには、「気」を補う食材選びが重要です。免疫力は、努力次第で少しずつ上げることができます。薬膳を取り入れて、しっかり上げていきましょう。
おすすめの食材
免疫力を上げるのにおすすめの食材は、山芋や松の実です。
山芋は気を補って乾燥から身体を守ってくれます。また、松の実は滋養強壮や免疫力を上げる効果が期待できる食材です。
松の実はあまり買ったことがないという方も多いかもしれませんが、最近ではスーパーでも気軽に手に入れることができます。コクがあり食材としても美味しいので、ぜひチャレンジしてみましょう。
薬膳レシピ
それでは、山芋や松の実を使ったおすすめの薬膳レシピを紹介していきましょう。
山芋を使った薬膳レシピは「山芋とおかひじきのサラダ」です。おかひじきとは若芽ひじきの別名で、陸上に生育する野菜です。海藻ではありませんが、ひじきに似ていることからこのような名前が付けられました。とても栄養価が高くおすすめの食材ですよ。
松の実を使った薬膳レシピでは「参鶏湯」と「ジェノベーゼ」を紹介したいと思います。
参鶏湯は、通常では丸鶏を使って作りますが、ここでは家庭でも作りやすいように手羽先や手羽元を使ったレシピを紹介します。薬膳料理でも良く使われる食材をふんだんに使って、身体をバランスよく整えていきましょう。
ジェノベーゼは、ジェノベーゼソースから手作りすると、香りもよく新鮮な食材を摂取することができます。
手軽に取り入れたい場合は、市販のジェノベーゼソースを使うのもおすすめです。ジェノベーゼソースは松の実の代用として、ほかのナッツ類が使われていることもあるので、原材料を確認して購入すると良いでしょう。
ジェノベーゼソースは、パスタだけでなく茹でたジャガイモやブロッコリーなどと和えても美味しく食べることができます。
山芋とおかひじきのサラダ 2人分
【材料】
山芋 100g
おかひじき 50g
白ごま 大さじ1
ポン酢醤油 大さじ1
ごま油 大さじ1/2
【作り方】
- まずは、おかひじきを下茹でしていきます。鍋にお湯を沸かし、おかひじきを入れて1分半茹でます。
- 茹でたら冷水にとり、冷めたらすぐにザルに上げて水気を絞ってください。水気を絞ったおかひじきは、3cmほどの食べやすい長さに切っておきましょう。
- 山芋は皮を剥き、短冊切りにします。
- ボウルにポン酢醤油と白ゴマを入れて混ぜ合わせたら、おかひじきと山芋を加えて全体に味が馴染むようにしっかり和えます。
- 仕上げにごま油をかけて、軽く混ぜたら完成です。
参鶏湯 4人分
【材料】
手羽先 4本
手羽元 4本
米(またはもち米) 大さじ3
松の実 大さじ1
なつめ 4個
長ネギ(青い部分) 1本分
ニンニク 1片
生姜 1片
鶏がらスープの素 大さじ1
塩 少々
こしょう 少々
水 1000ml
【作り方】
- 米は洗ってザルに上げ、水気を切っておきましょう。
- ニンニクは包丁の背で潰し、生姜は薄くスライスします。
- 鍋に手羽先と手羽元、分量の水を入れて火にかけます。沸騰して灰汁が出てきたら綺麗に取り除きましょう。
- 灰汁を取り除いたら中火にし、塩・こしょう以外のすべての材料を入れ、30分ほど煮込みます。煮込んでいるあいだは蓋をし、少し隙間を開けて蒸気が逃げるようにしておきましょう。途中、米が鍋底でくっつかないように混ぜてください。
- 最後に塩とこしょうで味を整えたら完成です。お好みで小口切りにしたネギをトッピングするとさらに美味しく召し上がれますよ。
ジェノベーゼ
【材料】
バジルの葉 100g
松の実 20g
ニンニク 1~2片
パルメザンチーズ(粉末) 25g
オリーブオイル 200ml
塩 少々
こしょう 少々
【作り方】
~ジェノベーゼソースの作り方~
- まずはジェノベーゼソースを作ります。バジルは綺麗に洗い、水気をよく拭き取ります。水分が残っていると傷みの原因となってしまうので、しっかり拭いておきましょう。
- 水分を拭き取ったら、葉の部分のみちぎります。
- フライパンに松の実を入れ、火を付けたら薄く表面が色づく程度に炒ります。焦げないように混ぜながら、弱火で炒るのがポイントです。炒った松の実はよく冷ましておきましょう。
- ニンニクは縦半分に切り、芯を取り除いておきます。ニンニクは商品によって大きさに違いがある為、大きいものであれば1片、小さいものであれば2片使うようにしましょう。
- すべての材料をフードプロセッサー(またはミキサー)に入れ、スイッチを入れます。バジルの葉は器械の刃や発生した熱で酸化しやすく、黒ずみの原因となります。時間をかけすぎないようにスピーディーに行いましょう。あらかじめミキサーの容器部分を冷やしておいたり、保冷剤で容器の周りを冷やしながらおこなうのがおすすめです。
- 完成したジェノベーゼソースは消毒済みの瓶に入れ、冷蔵庫で保存します。1週間以内に使い切るようにしてください。
~ジェノベーゼの作り方(2人分)~
- ここからは、ジェノベーゼソースをパスタに合わせた「ジェノベーゼ」の作り方を紹介します。
- 沸騰したお湯のなかに1%の塩を入れ、パスタ180gを茹でます。袋に記載されている時間より1分ほど短めに茹でましょう。
- フライパンにジェノベーゼソース150mlを入れ、火をつけます。沸騰してきたらお玉一杯分のパスタの茹で汁を加え、よく混ぜて乳化させてください。この工程はパスタがゆで上がる時間から逆算して行うようにしましょう。
- 茹で上がったパスタはしっかり水気を切り、②のフライパンに入れてソースをよく絡めます。全体に絡んだら火を止めて、お好みの分量のパルメザンチーズを加え、塩で味を整えます。仕上げにオリーブオイルをかけたら完成です。
まとめ
免疫力を上げることは、さまざまな病気を未然に防ぐうえでとても重要なことです。風邪にかかりやすい冬だけでなく、普段から意識して免疫力を上げる必要があります。
疲れを溜めないようにしっかり休息をとり、適度な運動を取り入れつつ、今回紹介した薬膳で病気知らずの身体作りを目指していきましょう。