乾燥対策は身体の内側から!肌に潤いがない方におすすめの薬膳の紹介

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冬は肌の乾燥が気になるという方も多いのではないでしょうか?

肌が乾燥していると、お化粧のノリが悪くなるだけでなく、さまざまな肌トラブルを惹き起こします。最近はマスクをつけていることも多くなりましたが、マスク生活でも肌が乾燥しやすくなるのです。

肌の潤いが足りないという方は、薬膳を取り入れて身体の内側から水分を補っていきましょう。

textured sandy surface in desert
Photo by Oussama Ghanemi on Pexels.com

乾燥の原因となるもの

冬は特に肌の潤いが足りないと感じやすいのですが、乾燥する原因は寒い環境によるものだけではありません。乾燥の原因となるものには次のようなものがあります。

加齢

まず、乾燥を起こす一つ目の原因として加齢があります。

年齢を重ねると、水分に加え、細胞間脂質や天然保湿因子の分泌が減少する傾向にあります。

これらの分泌が減少すると、皮膚のバリア機能が低下し、水分を保持することが難しくなって乾燥してしまうのです。

ストレス

次に、よくある原因としてストレスや過労が挙げられます。

ストレスをかかえることによって自律神経が乱れ、コルチゾールが過剰に分泌されます。コルチゾールは副腎皮質から分泌され、たんぱく質、脂質、糖質の代謝の調節に欠かせないホルモンですが、過剰に分泌されるとセラミドを分解してしまうのです。

セラミドは前述の「加齢」の項目でも紹介した細胞間脂質にあたるものです。そのため、セラミドが分解されると肌のバリア機能が低下し、水分を保持できなくなって乾燥してしまいます。

また、中医学ではストレスを抱えていると、気の流れが悪くなるとも言われています。気の流れが悪くなることで余分な熱が身体のなかにこもり、さらに乾燥しやすい状態に陥るのです。

マスクによる乾燥

最近は感染対策のために、毎日マスクをつけているという方も多いのではないでしょうか?

マスクをしていると、マスク内の湿度が上がって乾燥とは無縁のようにも思えます。

しかし、実際にはマスクは肌の乾燥を引き起こす原因となってしまうのです。

顔は意識せずとも表情筋を動かしているため、マスクと肌は常に摩擦がおき、擦れ合っています。

すると、肌は物理的なダメージを受け、バリア機能は低下してしまうのです。とは言え、外出時や人と接するときにマスクをしないわけにはいきません。肌の潤いを保つためには、薬膳を取り入れて身体のなかから乾燥対策をしていくことが重要になってくるのです。

乾燥対策に必要なことは?

「皮膚は内臓の鏡」という言葉があり、内臓の状態は肌に表れやすいと言われています。肌が乾燥しているということは、内臓が不調であるということです。

化粧水などを使って肌の乾燥を補うことも大切ですが、身体のなかから水分を補い、潤いを与えることが大切です。薬膳を効果的に取り入れて乾燥しない肌を目指していきましょう。

中医学で身体の乾燥を補うには、次のようなものが必要であると考えられています。

津液(しんえき)を補う

乾燥を防ぎ、身体に潤いを与えるうえでもっとも意識したいのが、津液を補うことです。

津液とは、血を除くすべての体液の総称のことを言います。人体を構成するものとして、中医学では「気」「血」「水」という三つの成分がバランスを保ちながら存在していると考えられています。

津液はこのうち「水」にあたるもので、涙や汗、唾液、胃液などの水分のことを意味しています。

津液というひとつの単語になっていますが、「津」と「液」のように、それぞれ別々のものに分類することができます。

「津」は、「気」や「血」と密接な関係があり、流動性があってサラサラとしているものです。気血中に存在することで身体中を巡り、皮膚や筋肉、粘膜や血管を潤す効果が期待できるのです。

一方、「液」は気血とは一緒に存在せず、同じ場所に留まっているものです。流動性がなく年粘性があるのが特徴で、脳や骨髄、臓腑や関節などを潤してくれます。

肺を潤すことが大事

中医学で肺は乾燥に敏感で、外気の影響を受けやすい存在として扱われています。肺は気の流れや潤いをつかさどる重要な役割を担っているのです。

肺のトラブルは肌の乾燥を起こしやすくなりますし、反対に乾燥していることで肺も弱ります。肺の働きと乾燥は、常に密接な関係にあるのです。

薬膳を取り入れて肺を潤すことで、身体の内側から水分を補い、乾燥から身を守ってくれます。

肌の乾燥対策におすすめの薬膳

ここからは、おすすめの食材と薬膳レシピを紹介していきます。

冬が終わりに近づいてきても、まだまだマスクをつけた生活は続くもの。薬膳を日常の生活に取り入れ、しっかり乾燥対策をしていきましょう。

おすすめの食材

肌の乾燥対策におすすめの食材は、蓮根、白ゴマ、白きくらげ、梨です。

蓮根は津液を補い、肌を潤す効果が期待できます。白ゴマは便通を促すことで腸での栄養素の吸収を良くしてくれます。一緒に取り入れると効果的です。

さらに、白きくらげや梨は「肺」を潤し、肌の乾燥を防いでくれます。白きくらげはあまり見たことがない方もいるかもしれませんが、スーパーの中華食材コーナーや乾物売り場に置いてあることが多いので、ぜひチェックしてみてくださいね。

薬膳レシピ

今回紹介するおすすめの薬膳レシピは、「蓮根のきんぴら」と「白きくらげと梨の薬膳スイーツ」です。

蓮根のきんぴらは、仕上げに白ゴマをたっぷり使って、身体の潤いをアップしましょう。

白きくらげと梨の薬膳スイーツは、通常、白きくらげと蓮の実を使って作る台湾を代表する食べ物です。

ここでは、手に入りやすく、肺を潤す効果のある梨を使ったレシピを紹介します。梨はそのまま食べても美味しい果物ですが、白きくらげと一緒に甘いシロップで煮ても美味しく召し上がれますよ。

蓮根のきんぴら

【材料】

蓮根 200g

人参 1/3本

鷹の爪 1本

白ゴマ 大さじ1

だし汁 1/2カップ

砂糖 大さじ1

醤油 大さじ1

みりん 大さじ1

酒 大さじ1

ごま油 大さじ1

【作り方】

  1. 蓮根は皮をむいて縦半分に切り、繊維を断つように5mm幅の半月切りにします。切った蓮根は酢水(分量外)に浸けておきましょう。酢水に浸けておくことで、蓮根が変色するのを防ぐことができます。
  2. 人参は千切りにし、鷹の爪は小口切りにします。
  3. 砂糖、醤油、酒の調味料は混ぜ合わせておきましょう。
  4. 熱したフライパンにごま油をしき、水気を切った蓮根、人参を入れて2~3分中火で炒めます。
  5. 蓮根が透き通ってきたらだし汁を入れ、煮立ったら③の調味料を入れてさらに炒めます。水分が減って調味料が全体に絡んで照りが出てくるまで炒めてください。
  6. 仕上げに白ゴマを振り入れ、軽く混ぜて完成です。

白きくらげの薬膳スイーツ 4人分

【材料】

白きくらげ 10g

梨 1/2個

クコの実 20粒ほど

氷砂糖 50g

水 300ml

レモン汁 大さじ1

【作り方】

  1. 白きくらげは良く洗って30分ほど水につけておきます。
  2. 梨は櫛形切りにして、さらに1cm幅に切ってください。
  3. ①の白きくらげは固い部分を包丁か調理バサミで切り、手でひと口サイズにちぎります。
  4. 鍋に白きくらげと水を入れて30分~1時間煮ます。煮る時間はお好みですが、白きくらげが柔らかくなるまで煮ましょう。
  5. 白きくらげが柔らかくなったら、④の鍋に梨と氷砂糖を入れ、さらに15分ほど煮ます。
  6. クコの実を入れてさっと煮、火を止めたらレモン汁を加えて軽く混ぜて完成です。梨を煮るときに、お好みで一緒にレーズンを入れても美味しくなります。彩りも良くなりおすすめですよ。

まとめ

肌の乾燥対策には、身体の内面と乾燥の関係性を知り、薬膳を使って対策していくことが大切です。冬も終わりに近づくとついつい油断しがちですが、暖かい季節になってきてもさまざまな要因で乾燥は起こります。薬膳を取り入れて、乾燥を防ぎ身体に潤いを与えましょう。