◆ 冷え性は「ただ寒いだけ」ではない
秋が深まり、朝晩の冷え込みが強まる頃、「手足が冷たい」「布団に入っても温まらない」「疲れやすい」と感じやすくなります。東洋医学では、冷えは「気(エネルギー)の不足」「血の巡りの停滞」「腎の弱り」などが関係すると考えます。
特に女性はホルモンバランスの影響で巡りが乱れやすく、冷えを感じやすい傾向があります。
◆ 冷え性のタイプと薬膳の考え方
| タイプ | 主な症状 | 東洋医学での原因 | 対応のポイント |
|---|---|---|---|
| 気虚タイプ | 疲れやすい、息切れ、冷えやすい | 気が不足して体を温める力が弱い | 補気・温陽 |
| 血虚タイプ | 顔色が白い、指先が冷たい、髪がパサつく | 血が不足し温める材料が足りない | 補血・養血 |
| 瘀血タイプ | 末端が冷たい、肩こり、月経痛 | 血流が滞って熱が届かない | 活血・巡り改善 |
| 腎陽虚タイプ | 下半身が冷える、むくみ、頻尿 | 生命力・温めるエネルギーが低下 | 温補腎陽 |
今回の記事では、どのタイプでも使いやすい「温め食材」を中心にまとめます。
◆ 身体を温める薬膳食材リスト
【気を補って温める(補気・温陽)】
- しょうが
- 長ねぎ
- にんにく
- かぼちゃ
- 山芋
- 栗
→ 消化を助け、体の芯から温めるエネルギーを補う。
【血を補って温める(補血・活血)】
- 黒豆
- なつめ
- ほうれん草
- レバー
- ぶどう
- クコの実
→ 血が満ちると、体は自然に温かさを取り戻します。
【腎を温める(温補腎陽)】
- 黒ごま
- 羊肉
- えび
- くるみ
- シナモン
→ 冬の体作りに特に大切。
レシピ:黒豆としょうがのほっこり甘煮
材料(作りやすい分量)
- 黒豆 … 150g
- しょうが薄切り … 4〜5枚
- 砂糖(またはきび糖)… 大さじ2
- 塩 … ひとつまみ
- 水 … 700ml
作り方
- 黒豆は洗い、できれば一晩水に浸ける。
- 鍋に黒豆・水・しょうがを入れ、弱火でじっくり煮る(45〜60分目安)。
- 柔らかくなったら砂糖と塩を加え、さらに10分煮る。
- 粗熱が取れたら保存容器へ。
効果
- 黒豆 → 血と腎を養い、巡りを整える
- しょうが → 体を温め、胃腸を助ける
朝に少しずつ食べると「体の中からじわっと温かい」感覚を育てられます。
生活養生のポイント
- 白湯をこまめに飲む(冷たいものは控える)
- 首・手首・足首を冷やさない
- 深呼吸と軽いストレッチで巡りを促す
- 入浴は「ぬるめ+10分じんわり」が基本




