「薬膳料理」はご存知でしょうか。漢方の考えをベースに、その人の体調や症状などを考え合わせてレシピを作る、オーダーメイドの食事が「薬膳」です。
薬膳というと、身体に良さそうだけれど、食材選びや調理方法が難しそうだと思っている方も多いのではないでしょうか。しかし薬膳は、とても簡単に普段の食事に取り入れることができます。
薬膳を基礎から学ぶにはたくさん覚えることがあって、どこから手を付けていいかわからない方でも大丈夫です。まずは最初に、レシピ本を読んで実際に作ってみることをおすすめします。
今回は、手軽で毎日でも食べたくなるような美味しい薬膳おすすめレシピ本を5冊ご紹介します。この記事の筆者は子育て中の20代の母です。忙しくても簡単に作れる薬膳レシピを厳選してご紹介します。
作りおきおかず&食べ合わせで かんたん薬膳ごはん
<本の概要>
この本の著者は、管理栄養士で国際中医師の「植木もも子」さんです。本書は仕事や育児で忙しい方に向けて、短時間で簡単に作ることができる薬膳レシピが多数紹介されています。今の食生活に何となく不安を感じているけれどどう変えていいかわからない。時間もない。そんな方におすすめするのが、身近な野菜や乾物で手軽にできる作り置きおかずです。「頑張らずに毎日続けられる薬膳料理」をモットーに書かれているレシピ本です。
<この本で得られること>
長期保存が可能なおかずの作り方をたくさん学ぶことができます。作り方も簡単で、野菜を切って酢や酒などに漬けるだけのものもあります。酢や酒に漬けることで、保存期間が生で保存するより長くなるので、いろいろな料理に何度も使うことができます。私は週末にスーパーで食材をまとめ買いすることが多いので、長期保存ができる作り置きおかずレシピはとても参考になりました。忙しくても手軽に薬膳料理を毎日の食事に取り入れたいと考えている方におすすめの一冊です。
おやこの薬膳ごはん
<本の概要>
この本の著者は「山田奈美」さんです。著者の山田さんは、師匠の「和食こそが日本人にとっての薬膳」という考え方に共感され、昔から何気なく食べてきた食材の取り方や組み合わせが薬膳の知恵そのものだと気づかれたそうです。また、1児の母でもある山田さんが書いたこの本は、子供にも取り入れやすく、親子で楽しめる薬膳レシピが紹介されています。旬の食材を中心に、その季節に起こりやすいトラブルの改善が期待できるレシピが多数掲載されています。
<この本で得られること>
「子供にも薬膳料理?食べてくれるの?」と思うかもしれませんが、実際に私も1歳の息子にレシピ通り作ってみると、喜んで食べてくれました。薄味でも大人も美味しく食べることができます。レシピの1つである「にんじんつくね」は息子のお気に入りのメニューになりました。取り分け離乳食レシピも紹介されているため、小さいお子さんの離乳食づくりにも参考できます。さらにこの本は、レシピが書かれているだけではなく、なぜ薬膳は子供に良いのかについても深く学ぶことができます。自分だけではなく、家族の健康管理にも活かすことができて、とても勉強になりました。日本人に合った和の薬膳を親子で実践したい方におすすめの1冊です。
ロート製薬のスマートごはん
<本の概要>
「ロート製薬」が監修している薬膳料理のレストランやカフェの味を、家庭でも再現できるように作られているレシピ本です。ロート製薬は、一般医薬品やスキンケア商品を扱う会社です。「体は毎日の食事で作られる」ということを考えて生み出されたのが、この本で紹介するレシピの数々、ロート流「スマートごはん」だそうです。四季の変化による体への負担を癒す1番の方法は、季節の食材をいただくこと。旬の食材を食べることは、人が本来もっている自然との調和の感覚や治癒力を呼び覚ます食べ方です。「スマートごはん」は、中医学や薬膳の思想をベースに考えて作られています。
<この本を読んで得られること>
私自身、実際にロート製薬のレストランで薬膳ごはんを食べたことがあるのですが、体に良い食材を使っていることはもちろんのこと、味がとても美味しくて感動しました。そんなロート製薬が監修したレストランの味を、身近な食材で家庭でも簡単に作ることができる一品レシピも紹介されているので、とても参考になります。また、味はしっかりあって美味しいのに、低カロリーで低塩分なので、お腹いっぱい食べることができます。レシピには、カロリーや塩分表記もされているので、ダイエットをされている方にも、ぜひおすすめしたい一冊です。
冷えとり薬膳レシピ
<本の概要>
この本の著者は、薬膳料理研究家の「新開ミヤ子」さんです。本書では、体の中から「冷え」を解消する薬膳レシピが紹介されています。成人女性の2人に1人は悩んでいると言われている冷え。悪化すると月経痛や月経不順、頭痛、疲れなど多くのトラブルにつながります。ストレスや血行不良など、冷えにも様々な種類があります。自分の冷えのタイプを知るためのチェックリストも掲載されています。
<この本を読んで得られること>
自分の冷えのタイプに合わせた薬膳レシピを身近な食材を使って簡単につくることができます。本書を読んで、冷えをとるために一番効果的なのは、きちんと食事から栄養をとり、体の中から温めて、熱を生む体にしていくことが大切なのだとわかりました。私も冬場は冷えに悩まされて、厚着をしたりカイロを使ったりして外側から体を温めることが多かったのですが、それは一時的にしか冷えは改善しないのですよね。冷えを招いている大元の体質を改善するために、自分自身の体調と食物の性質を知ることが大切だということを、あらためて理解しました。冷えで悩んでいて、体質改善に役立てるレシピが知りたい方にぜひおすすめしたい一冊です。
おいしく食べて体に効く! クスリごはん
<本の概要>
「医食同源」の考えをもとに健康と食の関りを研究しているグループ「ヘルシーライフファミリー」によって編集されたレシピ本です。風邪・便秘・ストレスなどの心と体の悩みに効く食材とレシピが漫画で描かれています。
<この本を読んで得られること>
可愛らしいイラストの漫画で読みやすいだけではなく、実際に冷蔵庫にある食材でできる薬膳レシピが満載です。 現在の医療の主流は、病気になったら投薬をして体の悪い部分に直接アプローチする西洋医学です。しかし、病気というほどではないけれど、健康でもないという「未病」の場合に、東洋医学(中医学)の一つである薬膳が自然治癒力を高めてくれます。私も喉が痛くて風邪かな?と思った時は、ハチミツをなめてみたり、生姜湯を飲んだりしています。食事で体調のバランスを整えることが無意識に生活に根付いているなと感じています。本書はそんな「未病」の場合に役に立つレシピがたくさん載っているので、家庭に一冊持っておきたい本です。
気軽に楽しみたい薬膳のレシピ
いかがだったでしょうか。今回は手軽で毎日でも食べたくなるような美味しい薬膳おすすめレシピ本を5冊ご紹介しました。中医学の「薬食同源」ということばがあるように、食べ物は薬と同じように、からだに働きかけるものです。食事で病気が予防できたら、これこそ最高の医療ですよね。ここでご紹介した薬膳レシピ本を参考に、楽しみながら普段の食事に薬膳を取り入れてみませんか?