秋は「実りの季節」であり、夏に消耗した体を回復させる大切な時期です。しかし、夏の暑さや冷房の影響で体力を消耗したまま秋を迎えると、疲れ・だるさ・やる気の低下が続くことがあります。東洋医学ではこれを「気虚(ききょ)」といい、エネルギーの不足による症状と考えます。
本記事では、秋に取り入れたい補気食材と薬膳的養生法をご紹介します。
◆ 東洋医学でみる秋の疲れと気虚
東洋医学において「気」は体を動かすエネルギーの源。呼吸や飲食で作られ、全身に巡っています。気が不足すると、以下のような症状が出やすくなります。
- 疲れやすい
- 倦怠感
- 風邪をひきやすい
- 食欲不振
- 集中力の低下
特に秋は「肺」と関わりが深く、気虚になると免疫力の低下から呼吸器のトラブルも増えてきます。
◆ 秋におすすめの補気食材
気を補う「補気薬膳」は、疲れやだるさの改善に有効です。
- 米類(白米・もち米):胃腸を補い、消化力を整える
- 山芋(長芋):脾と肺を補い、滋養強壮に優れる
- 大豆製品(豆腐・納豆・枝豆):気を補い、血も養う
- 鶏肉:消化吸収がよく、疲労回復に適する
- かぼちゃ:胃腸を助け、エネルギーを補給する
- きのこ類(しいたけ・舞茸):免疫力アップに役立つ
これらは胃腸の働きを助け、気を生み出す力をサポートしてくれます。
◆ 薬膳レシピ:鶏肉とかぼちゃの滋養スープ
材料(2〜3人分)
- 鶏むね肉 … 150g
- かぼちゃ … 150g
- 長芋 … 100g
- 玉ねぎ … 1/2個
- 干ししいたけ … 2枚(水で戻す)
- 生姜 … 1片
- 水 … 600ml
- 塩 … 少々
作り方
- 干ししいたけを水で戻し、戻し汁はスープに使う。
- 鶏肉を一口大に切り、生姜と一緒に鍋で軽く炒める。
- 水としいたけの戻し汁を加え、かぼちゃ・長芋・玉ねぎを入れる。
- 弱火で20分ほど煮込み、塩で味を整える。
👉 補気食材である鶏肉・かぼちゃ・長芋を使ったスープ。体を温め、胃腸を労わりながらエネルギーを回復させます。
◆ 生活養生のポイント
- 規則正しい食事:朝食を抜かず、気を補う食材を取り入れる
- 深呼吸を意識:肺を養うために、秋の澄んだ空気を取り入れる
- 無理のない運動:ウォーキングやストレッチで気の巡りを改善
- 十分な睡眠:夜更かしを避け、体の回復力を高める
- 冷え対策:朝晩の冷え込みに注意し、腹部や足元を冷やさない
◆ まとめ
秋の疲れ・だるさは「気虚」が原因のことが多く、補気食材を取り入れることで体力回復に役立ちます。鶏肉や山芋、かぼちゃなどを日常的に食べながら、生活養生を意識することで、秋を元気に乗り切りましょう。