■ 立秋とは?まだ暑いけれど季節は秋へ
8月1日ごろの「立秋」は、暦の上では秋の始まりを告げる節気です。とはいえ、気温は高く湿度もあり、体感では真夏のまま。東洋医学ではこの時期を「陰陽の転換点」ととらえます。
夏の「陽」の気が次第に弱まり、「陰」の気が立ち上がり始める——
つまり、**“夏から秋への橋渡し”**がこの時期の体調管理のカギです。
■ 陰陽バランスが崩れると?
この季節、次のような症状が出やすくなります:
- 疲れが抜けない
- 食欲が落ちる
- 眠りが浅くなる
- 冷房で冷える or のぼせる
- 肌の乾燥・だるさ
これは、夏の暑さで「陰」が消耗し、まだ「陽」が残っている状態。
つまり、“陰虚+陽気が残る”アンバランスな状態になりやすいのです。
■ 東洋医学から見た立秋の食養生のポイント
- 残暑を和らげつつ、陰を補う
- 消化機能(脾)を整える
- 軽く体を温めて陽気を閉じ込める
■ 陰陽のバランスを整えるおすすめ薬膳食材
効果 | 食材 | 解説 |
---|---|---|
陰を補う | 白きくらげ、梨、豆腐、百合根、黒ごま | 潤いを補い、乾燥やのぼせを防ぐ |
消化を助ける | 山芋、もち米、大根、かぼちゃ | 脾胃を整えて秋の準備 |
陽気を守る | 生姜、ネギ、紫蘇、鶏肉 | 軽く温めて気血の巡りを助ける |
■ レシピ紹介
梨と百合根の豆乳スープ(2人分)
〈材料〉
- 梨…1/2個(角切り)
- 百合根…30g(生または乾燥)
- 豆乳…200ml
- 塩…少々
- 黒ごま…適量(仕上げ用)
〈作り方〉
- 百合根をさっと下茹でする(乾燥の場合は戻す)。
- 梨は角切りにし、鍋に豆乳とともに加える。
- 百合根を加えて弱火で5分ほど煮る。塩で味を調え、黒ごまを散らして完成。
🍐梨で潤いを補い、豆乳で陰を養い、百合根で心も安らぐ——
まさに陰陽バランスを整える立秋の一品です。
■ おすすめの過ごし方
- 冷房の温度を下げすぎない(27〜28℃に)
- 夜は湯船に浸かって気の巡りを促す
- 夕食は重すぎない、温かめのものを選ぶ
- 秋の乾燥に備えて水分補給はこまめに
■ まとめ
立秋は体と心が“夏疲れ”を抱える時期。東洋医学では陰陽のバランスを意識し、潤いを補いながらも軽く体を温めることが大切です。薬膳を取り入れて、秋を元気に迎えましょう。