春は気温や環境の変化が激しく、自律神経が乱れやすい季節です。東洋医学ではこの時期、体内の「気(エネルギー)」が不足しやすく、「気虚(ききょ)」と呼ばれる状態に陥りやすいとされています。今回は、やる気が出ない、疲れやすいと感じる日に取り入れたい、気虚対策の薬膳ごはんをご紹介します。
【東洋医学でみる「気虚」とは?】
「気虚」とは、体内のエネルギー不足のことを指します。症状としては、疲れやすい、息切れ、やる気が出ない、食欲不振、風邪をひきやすい、顔色が青白いなどがあります。気虚の原因は、もともとの体質に加えて、睡眠不足や過労、偏った食事が積み重なること。特に春は、冬の疲れを引きずったまま、新生活のストレスや寒暖差でさらに気を消耗しがちです。
【気虚を補う食材】
・山芋:気を補い、消化を助ける
・鶏肉:消化吸収が良く、気血を養う
・なつめ:気を補い、精神を落ち着ける
・もち米:胃腸を温め、気を補う
・かぼちゃ:胃腸を養い、元気をつける
・枝豆:気を補い、体力を回復する
【気虚対策ごはんレシピ】
■ 鶏と山芋のとろとろ煮
〈材料(2人分)〉
・鶏もも肉…200g
・山芋…150g
・なつめ(あれば)…4個
・しょうが…1片
・だし(または鶏ガラスープ)…400ml
・酒…大さじ1
・しょうゆ…小さじ1
・塩…小さじ1/3
〈作り方〉
- 鶏もも肉は一口大に切る。山芋は皮をむいて大きめの乱切りに。しょうがは薄切りに。
- 鍋にだし、鶏肉、しょうが、酒を入れて中火にかけ、アクを取りながら10分煮る。
- 山芋となつめを加え、さらに10分煮る。
- しょうゆと塩で味を調えて完成。
〈ポイント〉
山芋は煮込みすぎず、少し食感を残すと◎。なつめは甘みが出て、料理のアクセントになります。
【ワンポイントアドバイス】
気虚対策では「早寝早起き」「ゆったりとした時間を持つ」ことも重要です。胃腸を冷やさないよう、冷たい飲み物や生ものを控え、温かいものを選びましょう。また、ゆっくり噛んで食べることが、気を養う基本です。
【まとめ】
春の気虚は放置すると、やる気の低下だけでなく、免疫力の低下にもつながります。薬膳の知恵を日々の食事に取り入れ、心と体をしっかり整えて春を元気に過ごしましょう。