■ 秋は乾燥の季節。肌トラブルの原因とは?
秋になると「肌がカサカサする」「粉をふく」「化粧ノリが悪い」といった乾燥肌の悩みが増えます。東洋医学では、これは空気の乾燥=「燥邪」が体に影響を与え、特に「肺」にダメージを与えることが原因とされます。
肺は皮膚や体表を潤す働きを担っているため、肺が乾燥すると肌や髪のパサつき、のどの渇き、乾いた咳なども現れやすくなるのです。
つまり、秋の乾燥肌ケア=肺を潤すことが大切。外側からのスキンケアだけでなく、薬膳で内側から潤いを補うことが根本的な対策になります。
■ 肌を潤す薬膳の考え方
東洋医学では、肌の潤いを保つために「陰液(体の水分や血液の総称)」を充実させることが必要とされます。特に秋は「肺」の陰液を補い、体全体に潤いを巡らせることがポイントです。
👉 潤い補給の3つの柱
- 潤肺(肺を潤す) … 梨、白きくらげ、はちみつ
- 補陰(体液や血を補う) … 百合根、松の実、黒ごま
- 健脾(胃腸を整えて栄養を巡らせる) … 山芋、なつめ
■ 肌を潤すおすすめ食材リスト
- 梨:のどや肺を潤し、咳止めにも◎
- 白きくらげ:天然のコラーゲンと呼ばれ、美肌効果抜群
- 百合根:潤いを補い、心を落ち着ける
- ごま(黒ごま):血を補い、髪や肌のつやを守る
- 山芋:脾胃を養い、潤いを巡らせる
■ レシピ紹介
白きくらげと梨の美肌スープ(2人分)
〈材料〉
- 梨 … 1個
- 白きくらげ(乾燥) … 5g
- 百合根 … 30g
- なつめ … 2粒
- 氷砂糖(またははちみつ) … 大さじ1
- 水 … 400ml
〈作り方〉
- 白きくらげを水で戻し、食べやすく裂く。
- 梨は皮をむき、一口大に切る。
- 鍋に水と白きくらげ、なつめを入れて10分ほど煮る。
- 梨と百合根を加え、さらに5分煮る。
- 氷砂糖で甘みをつけ、温かいうちにいただく。
👉 ほんのり甘く、心と体を潤すデザート感覚の薬膳スープです。
■ 日常でできる乾燥肌養生
- 暑くても冷たい飲み物を控え、常温~温かい飲み物を選ぶ
- 辛いスパイスや揚げ物など、乾燥を助長する食事は控えめに
- 加湿器や白湯で体の内外から潤い補給
- 深呼吸や軽いストレッチで「肺」の働きを助ける
■ まとめ
秋の乾燥は、外側のスキンケアだけでは防ぎきれません。薬膳の知恵を取り入れ、梨・白きくらげ・百合根など「潤肺」「補陰」効果のある食材を使うことで、体の内側から肌をしっとり整えることができます。
薬膳で“食べるスキンケア”を実践し、秋を健やかに美しく過ごしましょう。