秋になると空気が乾燥し、日中と夜間の寒暖差も大きくなります。東洋医学では、この季節は「肺」と関わりが深く、心身のバランスが乱れやすい時期とされています。特に女性にとっては、月経リズムにも影響を与えやすく、PMS(月経前症候群)の症状が強まることもあります。
◆東洋医学からみたPMSと秋の関係
PMSは、気血の巡りが滞り、肝の働きがうまくいかないことで症状が悪化すると考えられています。秋は「肺」が弱りやすく、乾燥によって血の巡りや潤いが不足しやすいため、イライラ・むくみ・頭痛・気分の落ち込みなどの症状が出やすくなります。
◆秋のPMS対策:ポイントは「補血」「養陰」「理気」
- 補血(血を補う)
月経前は特に血の消耗が増えるため、貧血気味の人は症状が強く出やすくなります。黒豆、ほうれん草、レバー、棗(なつめ)などを取り入れましょう。 - 養陰(潤いを補う)
乾燥は肌だけでなく、心や子宮にも影響します。白きくらげ、梨、はちみつ、山薬(やまいも)などの潤い食材が有効です。 - 理気(気の巡りを整える)
イライラや張り感は「気滞」が原因。柑橘類、紫蘇、生姜、ミントなど香りのある食材で巡りを良くしましょう。
◆おすすめ薬膳レシピ
「黒豆と棗の養生スープ」
- 材料:黒豆30g、棗5粒、山薬(やまいも)50g、生姜少々
- 作り方:黒豆を一晩水に浸し、棗・山薬・生姜と一緒に煮込むだけ。
- 効能:補血・養陰・気巡りを同時にサポート。PMSの気分不安定や倦怠感におすすめ。
◆生活養生の工夫
- 夜更かしを避け、睡眠リズムを整える
- 軽いストレッチや呼吸法で「気の巡り」を良くする
- 冷えを避けるために下腹部を温める
秋は心身の調子が揺らぎやすい季節。PMSがつらいときこそ、薬膳の力を借りて月経リズムを穏やかに整えていきましょう。