秋分の養生:陰陽転換期に整える食養生と薬膳レシピ

brown leaf 普段使いの薬膳レシピ
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9月20日頃の「秋分」は、昼と夜の長さがほぼ等しくなる特別な時期です。東洋医学では、秋分を「陰陽の転換点」と捉え、夏の陽気から秋冬の陰気へと切り替わる時期と考えます。このバランスの変化は、心身に大きな影響を及ぼし、体調を崩しやすいタイミングでもあります。

特に秋は「燥邪(乾燥の邪気)」の影響を受けやすく、肺や皮膚の不調、咳・喉の渇き・肌荒れ・便秘などが起こりやすくなります。さらに、日照時間が短くなることで気分が落ち込みやすく、心の不安定さを感じる方も少なくありません。

そこで今回は、秋分の時期におすすめの食養生と薬膳レシピを東洋医学の視点からご紹介します。


🌿 東洋医学の視点からみる秋分の養生

  1. 陰陽の調和を意識する
     昼と夜がほぼ同じになる時期は、陰陽の切り替えのタイミングです。過剰な活動を控え、休息を大切にしながら、徐々に「陰」を養う生活へシフトすることが大切です。
  2. 肺と脾をいたわる
     秋は肺が弱りやすい季節です。乾燥を防ぎ潤いを与える食材(白きくらげ・梨・はちみつなど)を取り入れましょう。また、夏の疲れで脾胃も弱りがちなので、消化にやさしい穀類や豆類を意識して摂ることが養生につながります。
  3. 心の安定を意識する
     日照時間の減少でセロトニンの分泌が減り、気分の落ち込みや不安感が出やすい時期です。東洋医学では「心」と「肺」を整える食材(百合根、蓮の実、大棗など)が有効とされます。

🍲 レシピ紹介:

「梨と白きくらげの薬膳スープ」

🌟効果:肺を潤し、乾燥から守る。心を落ち着かせ、疲れた体を癒す。

材料(2人分)

  • 梨 … 1個
  • 白きくらげ(乾燥) … 5g
  • クコの実 … 小さじ2
  • はちみつ … 大さじ1
  • 水 … 400ml

作り方

  1. 白きくらげを水で戻し、石突きを取り小さく裂く。
  2. 梨は皮をむき、一口大に切る。
  3. 鍋に水・白きくらげ・梨を入れ、弱火で20分ほど煮る。
  4. クコの実を加え、さらに5分煮る。
  5. 火を止めて粗熱をとり、はちみつを加えて完成。

👉 ポイント:温かくしても、冷やしてデザート風にしても美味しくいただけます。


🧘‍♀️ 生活養生のポイント

  1. 夜は早めに休む
     陰が深まる時期なので、早寝早起きを心がけることで自然のリズムに調和します。
  2. 軽い運動で気の巡りを整える
     朝の散歩やヨガ、呼吸法などで肺を開き、気の巡りを良くしましょう。
  3. 乾燥対策を徹底する
     室内の加湿や白ごま・豆乳・はちみつなど潤いを補う食材を取り入れると効果的です。

🌸 まとめ

秋分は、夏の陽気から秋冬の陰気へと切り替わる大切な節目です。肺や脾を守り、乾燥から体を潤す食材を積極的に取り入れることが、この時期の体調管理に役立ちます。

今回紹介した「梨と白きくらげの薬膳スープ」は、体を優しく潤し、心身を落ち着かせてくれる秋分にぴったりの一品。生活養生とあわせて取り入れることで、季節の変わり目を健やかに乗り越えましょう。

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