春の食養生: 落花生とアワビの効能

【これまでのおさらい】

春の食養生について話してきましたが、今回が最終回です。その前に、これまでのおさらいをしましょう。

春は「風」の影響を受けやすく、風邪(ふうじゃ)や花粉症が起こりやすい季節です。また「肝」と関係が深く、胆、筋肉、爪、感情などに影響を与えやすいとされています。

そのため、春の食養生では胃を養い、甘味の食材を採り入れることが重要です。おすすめの食材は、ナツメ、長芋、落花生、セロリ、アワビなどです。これらの食材を一月頃から採り入れると、花粉症の予防にもなると言われています。

今回は落花生とアワビについてご紹介します。


【春におすすめの食材】

◆ 落花生

落花生は 「平性」 の食材で、寒熱の偏りが少なく、誰でも取り入れやすいのが特徴です。

【薬膳的な効能】

  1. 肺を潤し、乾燥を防ぐ
    • 乾燥による咳や喉の不調を改善し、花粉症対策にも◎。
  2. 胃腸を整え、消化を助ける
    • 胃を養い、食欲不振や消化不良を緩和。
  3. 血を補い、巡りをよくする
    • 薄皮にポリフェノールが豊富で、血管強化や貧血予防に。
  4. ストレスを和らげる
    • 気の巡りを良くし、精神を落ち着かせる作用も。

【レシピ】落花生炒餅(らっかせいちゃおびん)

〈材料〉(2人分)

  • 落花生(薄皮つき)…50g
  • 小麦粉…100g
  • 砂糖…大さじ1
  • 水…適量
  • ごま油…適量

〈作り方〉

  1. 落花生を軽く炒って香ばしさを出し、粗く刻む。
  2. 小麦粉と砂糖を混ぜ、水を加えて生地をこねる。
  3. 生地を円形に伸ばし、刻んだ落花生を包み込む。
  4. フライパンにごま油を熱し、中火で両面を焼き、香ばしく仕上げる。

◆ アワビ

アワビは 「寒性」 の食材で、体の熱を冷ましながら、滋養強壮や肝機能の向上に役立ちます。

【薬膳的な効能】

  1. 肝を養い、目の健康を守る
    • 目の疲れや視力低下の予防に。
  2. 腎を補い、精力を高める
    • 体力回復やアンチエイジングに。
  3. 体の余分な熱を冷ます
    • 春ののぼせやほてりを抑える効果も。

【レシピ】蒸しアワビの薬膳風

〈材料〉(2人分)

  • アワビ…2個
  • 生姜(スライス)…2枚
  • 長ネギ(青い部分)…1本分
  • 酒…大さじ2
  • 醤油…小さじ1
  • ごま油…適量

〈作り方〉

  1. アワビの殻をよく洗い、身を取り出して汚れを落とす。
  2. 蒸し器にアワビ、生姜、長ネギ、酒を入れ、強火で15分蒸す。
  3. 蒸し上がったら、醤油とごま油をかけて仕上げる。

【おわりに】

今回は栄養価の高いアワビと手軽に楽しめる落花生をご紹介しました。アワビは特別な日の一品に、落花生は日常のおやつや料理に取り入れてみてください。春の食養生を楽しみながら、健康的な食生活を送りましょう。

<参考URL>

乾燥あわび(乾鮑)|伊勢のうまいもん屋【公式サイト】 (ise-umaimonya.com)

【アワビ】の栄養と効能。種類や旬の時期、おすすめの食べ方も紹介 | 食・料理 | オリーブオイルをひとまわし (olive-hitomawashi.com)

ピーナッツせんべい by むろもっちー 【クックパッド】 簡単おいしいみんなのレシピが344万品 (cookpad.com)

ピーナツせんべい・フライパンで簡単に レシピ・作り方 by 夏はぜ|楽天レシピ (rakuten.co.jp)

蒸しアワビの作り方!蒸す前の下処理方法やおいしい食べ方をご紹介! | HANDS (hands-media.jp)

<参考文献>

日本薬膳学会 管理薬膳講座2015年「薬膳の基礎‐食材の作用」

根元 幸夫著「台所漢方 食材&薬膳手帳」


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