梅雨時や季節の変わり目に多い「下痢」の原因
「最近お腹がゆるい…」「食べすぎたわけじゃないのに…」
そんな下痢の症状は、東洋医学では単に胃腸の問題にとどまらず、「体全体のバランスの乱れ」ととらえます。
特に梅雨の時期に増えるのが「寒湿(かんしつ)」タイプの下痢。
冷えや湿気が体内に入り、消化吸収の働きを担う「脾(ひ)」の機能が落ちてしまうことで、下痢が起こります。
東洋医学でみる「下痢」のタイプと対策
- 脾虚型(胃腸の虚弱・慢性的な下痢)
→ 胃腸を元気にする「健脾(けんぴ)」の食材で立て直しを。 - 寒湿型(冷たいもののとりすぎ、梅雨の湿気など)
→ 体を温め、湿を除く「温陽化湿(おんようかしつ)」が必要。 - 熱湿型(炎症・下痢とともに腹痛やにおいのある便)
→ 熱を冷まし、湿を取り除く「清熱利湿(せいねつりしつ)」が基本。
今回はもっとも多い「脾虚」や「寒湿」タイプの方に向けた、やさしいお粥をご紹介します。
薬膳的におすすめの食材
- 白米・もち米:脾胃を補い、消化によくやさしい
- 長芋:健脾補気、滋養強壮にも◎
- 生姜:温中散寒、冷えを取り、胃腸を守る
- ネギ:気の巡りを助け、体を温める
- 鶏ささみ:脾胃に負担をかけず、たんぱく補給に
- 大根:消化を助け、気滞にも有効
レシピ:
🍚「長芋と鶏ささみの薬膳粥」
〈材料〉(2人分)
- 白米…1/2合
- 水…800ml
- 長芋…5cm(すりおろす)
- 鶏ささみ…1本(ほぐしておく)
- 生姜…1かけ(みじん切り)
- 塩…少々
- ネギ(お好みで)…少々
〈作り方〉
- 白米は洗って30分ほど水につけておく。
- 鍋に白米と水を入れ、弱火でコトコト煮る。
- 米がやわらかくなったら、ささみ・生姜・長芋を加える。
- さらに10分ほど煮て、塩で味を整える。
- 器に盛り、刻んだネギをのせて完成。
〈ポイント〉
胃腸にやさしい素材だけで作る一品。
長芋と生姜の組み合わせで、補気しながら温める理想的な粥です。
食欲がない朝にも◎
まとめ
下痢は一時的な症状でも、放っておくと慢性化してしまうことも。
体が弱っているサインと受け止め、無理せず休息をとりながら、体をいたわる食事を心がけましょう。
東洋医学の知恵で、内側から整えていくことが、根本的な体質改善にもつながります。